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【経済】台湾鴻海精密が米MSのベトナム携帯会社買収、2200万米ドル投入


電子機器受託製造サービス(EMS)で世界最大手の台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)は8日、傘下のChief Expertise Limitedが米マイクロソフト(MS)のベトナム携帯生産子会社Microsoft Mobile(Vietnam)Limited Liability Companyを買収すると発表した。取引額は4億9200万ドン(約2200万米ドル、22億2000万円)。ベトナム北部のバクニン省でフィーチャーフォン(ガラケー)とスマートフォン(スマホ)の生産を手がけている。
携帯端末資産の相次ぐ買収となる。鴻海精密工業は5月18日、グループ子会社の富智康集団(旧社名は富士康国際HD:2038/HK)を通じ、MSから「ノキア」ブランドのフィーチャーフォン(ガラケー)資産を買収すると発表している。ノキアの元幹部らが経営するHMDグローバルと共同で取得。買収価格は計3億5000万米ドルで、うち富智康は3億3000万米ドルを支払う予定だ。年後半の買収手続き完了を目指す。
HMDグローバルがブランドや技術のライセンスを取得し、富智康が製造・販売事業を買収する。富智康はベトナム・ハノイの工場を譲り受け、受託製造する形をとる。取引の完了後、同事業の従業員(MS発表で約4500人)は富智康かHMDグローバルのいずれかに配置換えされる予定だ。
MSは2014年、ノキアの携帯電話事業を買収。現在、「マイクロソフト・モバイル」として同事業を展開するが、フィーチャーフォンに関しては引き続き「ノキア」ブランドを利用していた。
富智康は台湾系の携帯端末OEM大手。海外携帯大手メーカー向けにモジュールやデバイスを生産する。親会社はPC、通信機器、電子部品のEMSを手がける鴻海精密工業。中国本土や欧州などに生産拠点を有するほか、北京、南京、台北、ソウルに設計センターを置く。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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