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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ヒューリック <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヒューリック <3003>  1,057円 (+29円、+2.8%)

 ヒューリック <3003> が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券がリリースしたリポートによると、同社は、不動産セクターの中で一段高い利益成長力と平均以上のレバレッジ水準を梃子に、上場してから不動産上昇相場の初期に至るまでアウトパフォームしてきたと紹介。ただ、高い利益成長力はすでに株価に概ね織り込まれており、かつ不動産サイクルが成熟期を迎える中、足下のマクロ不透明感が、高い利益成長を続ける同社のバリュエーション拡大の足かせになると指摘。レーティングは「ニュートラル」を継続。目標株価は算出方法と諸前提を変更し、1110円から1200円へ引き上げている。

■国際石油開発帝石 <1605>  780.7円 (+18.6円、+2.4%)

 国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> が4日ぶりに反発。28日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近8月物が前日比1.52ドル高の1バレル=47.85ドルに上昇したことが好感された。Brexit(英国のEU離脱)による懸念がやや一服し、原油価格も反発した。ノルウェーで近くストライキが行われるとの報道が流れたことも、原油価格の上昇要因に働いた。

■大成建設 <1801>  838円 (+19円、+2.3%)

 東海東京調査センターでは、29日の日本株は欧米株高を受けて堅調に推移すると指摘。日本株のバリュエーションは割安、政府・日銀による政策出動に対する期待も強いため、世界的な株式市場の混乱を受けて、各国協調による政府・中央銀行の政策対応がいつ発動されてもおかしくない情勢と解説。円高懸念が残るうちは輸出関連株を手掛けにくいことから、建設や小売など内需好業績銘柄の選別物色が続くと想定。7月4日号のウィークリーでは、業績好調で上ブレ期待がある大成建設 <1801> 、今来期ともに2ケタ増収増益を見込むジェイエイシーリクルートメント <2124> をピックアップしている。

■コマツ <6301>  1,754円 (+36.5円、+2.1%)

 コマツ <6301> が続伸。大和証券が同社についてリポートをリリース。業績予想について、営業利益ベースで、17年3月期:1540億円(前期比26%減、会社計画1500億円)、18年3月期:1640億円(同6%増)とし、為替前提は1ドル=110円で、為替前提の差を考慮すれば、会社計画よりやや厳しい見方をしていると紹介。より中期的視点で重要となるのは、「いかにして、ROEを10%レベルへ引き上げるのか」になるとみて、収益性改善策の推進や、ICT建機等新事業の強化だけでなく、株主還元策の見直しも含む追加的なBS改革が必要ではないかとの見解を示している。投資判断は「3」(中立)を継続。目標株価は2100円から1800円へ引き下げている。

■高砂熱学工業 <1969>  1,225円 (+25円、+2.1%)

 高砂熱学工業 <1969> が3日続伸。国内大手証券では、マクロ景気に不透明感があるなか、産業空調設備事業では工場などの設備投資の動向に留意する必要があると指摘。それでも、進行中の再開発プロジェクトへの影響は産業空調と比べて限定的との見方で、ビル空調の比率が大きい同社の業績にはディフェンシブ性があると解説。豊富な受注残高をかかえる事も評価し、レーティング「バイ」を継続。目標株価は1777円から1680円に引き下げている。

■テクノプロH <6028>  3,270円 (+65円、+2.0%)

 テクノプロ・ホールディングス <6028> が急動意。ITや化学分野向けで高実績を持つ技術者の派遣大手。派遣技術者は月次で在職技術者の伸びが顕著となっている。その背景には退職率の低下があり、経験年数の長い技術者の増加は1人当たりの売上単価上昇にもつながるだけに同社の業績には追い風材料とみられている。16年6月期営業利益は前期比11%増の81億円と2ケタ成長を見込むが、第3四半期時点で66億7900万円と、進捗率が82%に達していることを考慮すると、一段の上振れも見込まれる状況だ。

■小野薬品工業 <4528>  4,470円 (+89円、+2.0%)

 小野薬品工業 <4528> が高い。同社のがん免疫治療薬「オプジーボ」が28日、進行期膀胱がんについて、米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)に指定されたことで、これを材料視する買いが集まった。既にオプジーボの売り上げは、肺がん効能の追加承認を背景に、想定を上回る伸びをみせて同社の収益を押し上げており、16年3月期の営業利益は前の期比倍増以上の高変化をみせているが、今期以降、成長はさらに加速する見通しだ。

■NTTドコモ <9437>  2,795円 (+52.5円、+1.9%)

 NTTドコモ <9437> が3日続伸。29日は、大和証券がポジティブなリポートをリリースしたことが確認されている。リポートによると、同社のオーガニックな営業利益は17年3月期に12%増、18年3月期に6%成長すると同証券では予想。データ収入が拡大し、iPhoneの月々サポートの悪影響が縮小する一方、スマートライフ領域の利益が拡大し、費用削減が進み、販売競争が緩和されるとみている。特に、データ利用収入とスマートライフ領域の利益、費用削減の進展は同証券予想を上回っていると指摘。同証券は、ドコモは獲得競争終息の受益者であるとの見解を示し、投資判断「2」(アウトパフォーム)、目標株価3130円を継続している。

■日本航空 <9201>  3,318円 (+58円、+1.8%)

 国内大手証券の運輸セクターのリポートでは、Brexitにより円高が進展、外需減速リスクが表れているものの、日本の運輸セクターは堅調な相対パフォーマンス(対TOPIX)が見込めると指摘。空運は、業績の堅調さが再評価され株価の反転余地が大きいとしながらも、原油や国際線の旅客減少リスクもあるため、外部環境の変化を気にせず業績が堅調な鉄道が最も適切と解説。空運ではJAL <9201> とANAホールディングス <9202> 、鉄道ではJR東海 <9022> と京成電鉄 <9009> が営業増益になりやすいとみて、物流では、5月までの単体の営業増益基調が確認されている日本通運 <9062> に注目している。

■大塚ホールディングス <4578>  4,783円 (+72円、+1.5%)

 大塚ホールディングス <4578> が反発。SMBC日興証券は、16年12月期-19年12月期業績予想を見直し、新たに20年12月期予想を加え、中期業績予想を見直したとのリポートをリリース。昨年4月に主力品である非定型抗精神病薬エビリファイの米国特許が満了し、16年12月期は大幅な減益が避けられないものの、16年12月期をボトムとして、17年12月期以降は、豊富な新薬の貢献により利益回復局面に入るとの見解を示している。同証券ではまた、成長ドライバーとして、エビリファイメンテナ(1カ月1回投与注射剤)、エビリファイの後継品レキサルティは米国で順調な立ち上がりを示しており、中長期的視点でみれば、成長銘柄として注目できるとみて、投資評価「2」(中立)を継続。目標株価は4300円から5000円へ引き上げている。

■資生堂 <4911>  2,594円 (+35.5円、+1.4%)

 資生堂 <4911> が反発。同社は28日、加齢に伴う真皮空洞化のメカニズムを解明したことを発表した。同社では加齢に伴い皮膚の真皮が失われて脂肪に置き換わることを見出し、真皮が空洞化している人ほど外見上も顔がたるんでいることを明らかにしてきたが、その原因が解明されていなかった。今回、真皮が空洞化している部位では汗を分泌する器官「汗腺」が著しく委縮していることを世界で初めて発見した。汗腺の委縮が真皮空洞化の鍵であることを解明した知見をもとに新たなスキンケアへの応用を目指す。

■KYB <7242>  325円 (+4円、+1.3%)

 KYB <7242> が反発。TIWでは、ハイドロリックコンポーネントは16年3月期を底に改善が見込めるものの、17年3月期会社計画における為替前提(1ドル=105円、1ユーロ=120円)を上回る円高進行や欧州地域売上高が全体の16%を占める点が懸念されると指摘。会社計画はAC事業の数量想定が保守的なため数量面で上振れ余地があるものの、円高で相殺されると見て、レーティングを「2+」から「2」に引き下げている。

■大和ハウス工業 <1925>  2,935円 (+33円、+1.1%)

 大和ハウス工業 <1925> が小幅高で3日続伸。グループ会社のフレームワークスがロジテック領域においてGROUND(東京都江東区)との資本業務提携締結を発表。同提携では、フレームワークスが国内外で多数の導入実績を持つWMS(倉庫管理システム)とGROUNDが扱う自動搬送ロボット「Butler(バトラー)」の制御システム(WCS)とを連結する。これにより、高度で先進的な物流オペレーションを実現し、物流現場にイノベーションを喚起する革新的なソリューションを提供していく。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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