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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~建設株が堅調、政策期待が高まりやすい

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・建設株が堅調、政策期待が高まりやすい
・102円13銭付近、ドル底堅い、口先介入などで102円台を維持
・トヨタ、13年4月以来の5000円割れ



■建設株が堅調、政策期待が高まりやすい

日経平均は反落。50.19円安の15259.02円(出来高概算13億8000万株)で前場の取引を終えている。27日の欧米市場は、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた欧州経済の先行き不透明感から、軒並み弱い値動きとなった。NYダウは260ドル安となり、シカゴ日経225先物清算値は大阪比200円安の15160円だった流れもあり、これにさや寄せする格好から売りが先行した。

その後15100円近辺でのこう着が続く中、前場半ばには一時14987.79円と15000円を下回る場面もみられた。しかし、その後は急速に切り返しをみせており、15334.10円とプラスに転じる場面もみせていた。東証1部の騰落銘柄は値上がり、値下がりが拮抗。規模別指数では大型、中型株指数が下落する一方で、小型株指数のみが上昇。セクターでは建設、食料品、小売、倉庫運輸、医薬品、陸運、金属製品、情報通信がしっかり。半面、証券、ゴム製品、保険、輸送用機器、その他金融、銀行、非鉄金属が冴えない。

日経平均は一時15000円を割り込んだものの、その後急速に切り返すなど、15000円処での底堅さが意識されている。欧州経済の先行き不透明感から積極的な上値追いには慎重だが、内需・ディフェンシブ系を中心とした物色が目立っている。セクターでは建設が上昇率トップなど、来月10日に投票が行われる参院選を控え、政策期待等が高まりやすい。

内需系のみでの一段高は厳しいだろうが、欧州の不透明感から金融市場が混乱する局面においては、政府・日銀による緊急対策も意識されやすい。下値の堅さが意識されるなか、内需・ディフェンシブ物色の流れが続きそうである。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は102円13銭付近、ドル底堅い、口先介入などで102円台を維持

28日午前の東京外為市場では、ドル・円は底堅い値動きとなった。閣僚による口先介入で102円台を維持した。

ドル・円は、今朝の閣議後の記者会見などで、「為替市場の動向を緊張感をもって注視している」「必要があれば措置を取る」(麻生財務相)、「為替市場は極めて神経質な動き、これまで以上に注視したい」(菅官房長官)といった発言が聞かれ、やや円売りに振れた。

また、日経平均株価がプラス圏に切り返した場面もあり、101円後半から一時102円17銭まで上昇した。

ただ、102円付近には短期筋による利益確定売りオーダーのほか、英国の欧州連合(EU)離脱に向けた協議の難航が見込まれており、ドル売りフローが観測される。また、ランチタイムの日経平均先物はやや売りが強まっていることから、午後は再び101円台で推移する可能性はあろう。

ここまでは、ドル・円は101円56銭から102円17銭、ユーロ・ドルは1.1010ドルから1.1061ドル、ユーロ・円は111円93銭から112円98銭で推移。

12時28分時点のドル・円は102円13銭、ユーロ・円は112円84銭、ポンド・円は136円01銭、豪ドル・円は75円52銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・トヨタ<7203>、13年4月以来の5000円割れ
・値上がり寄与トップはKDDI<9433>、同2位アステラス薬<4503>、3位日本ハム<2282>

・安倍首相
「市場はひとまず落ち着いたが、まだ不透明感は残っている」
「市場の安定に全力を尽くす意思をG7で発信し続ける」

・麻生財務相
「為替市場の動向を緊張感をもって注視している」
「必要があれば措置を取る」
「英国はポンドの協調介入の要請をしてこなかった」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・EU首脳会議(ブリュッセル、29日まで)

《WA》

 提供:フィスコ

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