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【経済】中国:アリババ傘下の淘宝が蘇寧に巨額出資、「王者連盟」立ち上げ

東証2部指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

家電量販と電子商取引(Eコマース)の中国最大手が提携関係を強化する。家電量販チェーンの蘇寧雲商(002024/SZ)は2日引け後、第三者割当増資を通じ、阿里巴巴集団(アリババ・グループ:BABA/UA)傘下のインターネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」から出資を受けると発表した。これに先立つ1日には、蘇寧とアリババが共同で戦略発表会を開催。その席で蘇寧の張近東・董事長は、両社の提携を「王者連盟」と呼び、規模の効果で売り上げを拡大していく考えを示した。
蘇寧の発表によると、「淘宝」を運営する淘宝(中国)軟件公司が今回、増資後発行済み株式数の19.99%に相当する新株を引き受ける。出資の規模は282億3300万人民元(約4670億円)。手続きの完了後、淘宝(中国)軟件公司は蘇寧の2位株主となる運びだ。
これに先立つ昨年8月には、蘇寧とアリババが株式持ち合いを発表。アリババが蘇寧株20%を取得すると同時に、蘇寧もアリババ株の1%を引き受けることを明らかにしている。その後10カ月を経た今月1日、両社は戦略発表会を開き、具体的な業務提携の内容を公表。これまでにEコマースサイトや物流の面で融合を進めてきたことを紹介した上で、向こう3年内に100億人民元以上を投入し、サプライチェーンの再編を一段と進めていく考えを示した。効率的な物流システムを構築し、配送コストを3割削減する方針と説明している。
また、現在双方のプラットホーム上で100億人民元の売り上げ規模を持つ美的(ミデア)、海爾(ハイアール)、サムスン、華為(ファーウェイ)などのブランドについて、3年内に同規模を500億人民元に引き上げる計画。50億人民元規模の聯想(レノボ)、シーメンス、ソニー、創維(スカイワース)については、200億人民元への拡大を目指す。
両社の提携強化はEコマース中国2位の京東商城(JDドット・コム)などにとって、大きな脅威になる??と現地メディアは報じた。すでに「二強連合」の影響は出始めているようで、報道によると、京東の増収率は直近の2016年1~3月期に47.3%と、2012年の95.8%、2015年の57.6%から減速している。
Eコマース中国最大手のアリババは、国内の年間総取引高(GMV)で3兆920億人民元の規模を誇る。一方の蘇寧は国内に家電量販店1600店舗を展開するほか、海外では日本のラオックス(8202/東証2部)に出資。アリババと蘇寧の合計で、オンライン・オフラインの会員数は7億人を超えるとされる。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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