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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

Vテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■ブイ・テクノロジー <7717>  8,840円 (+270円、+3.2%)

 ブイ・テクノロジー <7717> が大幅高で5連騰。米アップルが来年発売予定の「iPhone7s」で有機ELディスプレーを採用する方針が伝わっており、業界では韓国大手2社をはじめ、この特需を享受すべく積極的な増産投資に動いている。iPhoneは現在、スマートフォンの世界販売の20%近くを占めており、インパクトは絶大だ。そのなか、Vテクの開発製品であるファイン・ハイブリッド・マスク(FHM)は有機ELを蒸着させるプロセスで需要が見込まれ、追い風が強い。一方、足もとでは中国液晶メーカーの投資意欲が旺盛でこれを取り込み17年3月期営業利益段階で前期比55%増の40億円見通しと大幅ピーク利益更新見通しにあることも物色人気を増幅させている。

■大王製紙 <3880>  1,179円 (+33円、+2.9%)

 大王製紙 <3880> が反発。同社は27日の取引終了後、川之江工場(愛媛県四国中央市)に最新鋭の家庭紙生産設備を新設することを発表した。ローションティシューなどの高付加価値品を含む家庭紙製品の安定供給体制を強化することが目的で、月産能力は約4500トン、設備投資額は約210億円で稼働時期は18年度中を想定している。

■ワコールHD <3591>  1,179円 (+31円、+2.7%)

 27日、ワコールホールディングス <3591> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.63%にあたる230万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は6月2日から9月30日まで。

■井関農機 <6310>  268円 (+7円、+2.7%)

 井関農機 <6310> が買い優勢で新高値。4月中旬以降は25日移動平均線を下値サポートラインとする上値指向を鮮明としており、低位株物色の先陣を切っている。農業機械トップメーカーで安定的な回復をみせる米価や、機械導入に伴うスマート農業を側面支援する国策を追い風に業績拡大局面にある。また、同社は欧米など海外輸出も手掛け、小型トラクターや芝刈り機などが好調で収益に貢献している。株価低位にもかかわらず信用取組は大幅に売り長で20日現在の信用倍率は0.5倍を切る水準で、株式需給面の軽さも強みといえる。

■コナミHD <9766>  4,270円 (+100円、+2.4%)

 コナミホールディングス <9766> が続伸。連日で年初来高値を更新。大和証券では、営業利益予想を、17年3月期:300億円→330億円、18年3月期:320億円→380億円、へとそれぞれ引き上げたとのリポートをリリース。遊戯王アプリのグローバルでの収益寄与を月商10億円程度で試算しているが、事前登録数や映画の盛り上がりを勘案すると、上振れする可能性も十分あると解説。投資判断は「3」(中立)を継続し、目標株価は2710円から3900円へ引き上げている。

■ファナック <6954>  16,735円 (+385円、+2.4%)

 27日、ファナック <6954> が発行済み株式数の0.91%にあたる186万9500株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は6月8日。

■イオンFS <8570>  2,422円 (+54円、+2.3%)

 イオンフィナンシャルサービス <8570> が小幅続伸。国内大手証券では、安定的な顧客獲得をベースにした国内事業の伸張見通しに変更はないと指摘。「イオン経済圏」や海外事業を有する独自性に対し、相対的に優位な評価は可能としながらも、株価には織り込み済みと想定。投資判断を強気に転じるには、販管費効率向上による経常利益率改善、クレジットカード事業の一層の伸張、海外事業の安定成長、国内銀行事業の黒字安定化、利息返還請求件数の沈静化などの確認が必要と解説。レーティング「ニュートラル」を継続、目標株価を2700円から2750円に引き上げている。

■日本郵船 <9101>  208円 (+4円、+2.0%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> などをはじめ海運株がおしなべて買い優勢の展開。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は5月17日に30ポイント高と急伸をみせた後は下落歩調が続いていたが、前週末27日に600台割れ目前で踏みとどまり、8日ぶりに反発に転じた。また、足もと為替が円安に振れており、ドル建て決済の海運セクターにとっては今の流れは利益押し上げ期待をもたらす。株価面でも総じて出遅れ感がありリターンリバーサル狙いの買いが優勢だ。

■三菱自動車工業 <7211>  574円 (+11円、+2.0%)

 野村証券がリリースした自動車セクターのリポートでは、三菱自動車 <7211> の燃費不正、スズキ <7269> の不適切な走行抵抗の計測により、短期的に軽自動車販売の減少が見込まれると指摘。同証券では消費増税時期予想を2年先送りして、2017年3月期の国内自動車需要見通しを従来予想比20万台減の490万台に、2018年3月期は従来予想比15万台増の510万台に変更し、登録車は2017年3月期が前期比2.4%増の320万台、2018年3月期が同1.6%増の325万台と堅調な推移が続くと解説。個別銘柄では新型車効果が大きいトヨタ自動車 <7203> や、日産自動車 <7201> が2017年3月期にシェアを拡大すると予想している。

■名古屋鉄道 <9048>  564円 (+10円、+1.8%)

 名古屋鉄道 <9048> が3日続伸。訪日外国人観光客の急増に伴い、輸送人員の増勢やホテル事業の拡大など私鉄株はインバウンド効果を享受している。そのなか、「同社は中部国際空港などを結ぶ交通事業で輸送人員が順調な伸びを示しているほか、運営するホテルも稼働率や単価など上昇傾向が顕著」(国内中堅証券)で買いが集まり始めた。信用取組は買い残が枯れ切った状態で、信用倍率は直近20日申し込み現在で0.13倍と株式需給面でも上値追いを後押しする。

■双葉電子工業 <6986>  2,024円 (+33円、+1.7%)

 双葉電子工業 <6986> が反発、年初来高値を更新した。同社は30日、有機ELディスプレイや有機EL照明などのパッシブ型有機ELデバイスの長寿命化と薄型化が可能な塗布型乾燥剤「OleDry-P2(オーレドライ ピーツー)」を開発したと発表、これを好感する動き。今回開発した「OleDry-P2」は中空封止構造の有機ELデバイス用塗布型乾燥剤として、捕水成分に有機金属化合物を使用した既存の「OleDry-s」に比べ1.5倍以上の捕水能力を持つため、今後成長が予想される有機ELデバイスの長寿命化と薄型化の実現が期待される。

■トヨタ自動車 <7203>  5,681円 (+92円、+1.7%)

 トヨタ自動車 <7203> 、日産自動車 <7201> 、ホンダ <7267> 、富士重工業 <7270> など自動車株が高い。米経済実勢の好調を背景にイエレンFRB議長が追加利上げに前向きな姿勢をみせており、米6月利上げの可能性が高まるなかで、外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが優勢だ。足もとは1ドル=110円台後半の推移で、輸出依存比率の高い自動車セクターは為替メリットを意識する格好で買いが優勢となった。また、トヨタについては30日付の日本経済新聞が、燃料自動車用水素ステーションの全国展開に向けJXホールディングス <5020> などと共同新会社をつくる検討に入ったと報じられたことも株価の刺激材料となった。

■伊藤忠商事 <8001>  1,381円 (+20円、+1.5%)

 伊藤忠商事 <8001> が続伸。大和証券はリポートで、同社の16年3月期純利益は会社計画を下回るも総合商社業界首位になったと紹介。業績予想は、17年3月期純利益は前年度比39%増の3340億円(従来予想3200億円)、18年度は同3%減の3230億円(従来3260億円)とし、今後も引き続き、CITIC Limitedからの利益・キャッシュフロー寄与の動向、CITIC・CP関連投資、協業案件の進捗状況に注目したいと解説。投資判断は「3」(中立)を継続。目標株価は1390円から1400円へ引き上げている。

■前田建設工業 <1824>  858円 (+12円、+1.4%)

 前田建設工業 <1824> がしっかり。30日は大和証券がリポートをリリースしたことが確認されている。同証券は、17年3月期も増益は可能とみて、連結営業利益は210億円(前期比12%増)と予想している。同社は前田新社長のもと、生産性向上による労働時間削減に注力中で、主目的は時間外労働時間の半減による労働環境改善のため、売上増加は期待しにくいが、コスト面でのメリットはあろうと指摘。投資判断は「2」(アウトパフォーム)を継続。目標株価は1040円から1050円へ引き上げている。

■デジタルガレージ <4819>  2,487円 (+33円、+1.3%)

 証券ジャパンがまとめたストラテジーリポートによると、今週の東京市場は政策期待が残るものの、出尽くし感が強まる可能性があると指摘。米雇用統計など内外の経済指標睨みで神経質な展開が予想されるとして、引き続き好業績の中小型銘柄に物色が向かいやすく、大型株の出遅れ感も意識されると解説。テクニカルでは、日経平均は4月に上値を抑えられた26週線を抜ければ、週足一目均衡表の基準線や4月25日高値1万7613円を目指す動きになるとみて、13週線や週足一目均衡表の転換線を下回ると、日足一目均衡表の抵抗帯上限や5月2日安値1万5975円、2月12日安値を起点とするサポートラインなどが意識されると予想。今週の参考銘柄として、デジタルガレージ <4819> 、ダイキン工業 <6367> 、大崎電気 <6644> を紹介している。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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