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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

アインHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■アインHD <9627>  7,030円 (+1,000円、+16.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。27日、アインホールディングス <9627> が決算を発表。16年4月期の連結経常利益は前の期比29.6%増の151億円に伸びて着地。続く17年4月期も前期比10.2%増の167億円に伸び、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。今期も調剤薬局の新規出店や積極的な買収などが寄与し、12.8%の大幅増収を見込む。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比10円増の50円に増配する方針としたことも買いに拍車を掛けた。

■ブランジスタ <6176>  5,570円 (+700円、+14.4%) ストップ高

 ブランジスタ <6176> [東証M]がストップ高。同社は秋元康氏がプロデュースするスマートフォン向け新作ゲーム「神の手」の詳細を前週末(5月27日)に明らかにすると発表したことを材料に短期間で株価を3倍化させたものの、「神の手」の詳細発表を前に利食い急ぎの動きが表面化、株価は発表前までほぼ“往って来い”の水準となっていた。前週末に「神の手」の詳細を発表したが、下げの反動もあって買いが集中した。「神の手」はゲーム上で3Dを使って表現したクレーンゲームを展開、獲得した商品が実際に利用者の手元に届くというアイデアがインパクトを与えている。第1弾の目玉景品としては、秋元康氏プロデュースらしく「AKB48」のオリジナルグッズということもあって人気を助長する公算が大きい。中期的には企業向け広告モデルとして収益化のシナリオが見込めることも買い人気を増幅させているようだ。なお、ブランジスタの親会社で「神の手」を企画したネクシィーズグループ <4346> もストップ高で引けた。

■日本駐車場開発 <2353>  132円 (+8円、+6.5%)

 日本駐車場開発 <2353> が反発。同社は27日の取引終了後、16年7月期第3四半期累計(15年8月-16年4月)の連結決算を発表。売上高は140億6600万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は19億5800万円(同23.4%減)、純利益は13億1600万円(同58.9%減)だった。子会社の日本スキー場開発 <6040> が運営するスキー事業が、歴史的な暖冬の影響で来場者が減少しているが、主力の駐車場事業は好調に推移していることから株価への影響は限定的。通期業績は売上高177億円(前期比4.1%増)、営業利益20億円(同22.3%減)、純利益12億4000万円(同64.9%減)と従来見通しを据え置いた。加えて同時に発表した日本スキー場開発の16年7月期第3四半期累計(15年8月-16年4月)の連結決算は売上高51億2700万円(前年同期比5.8%減)、営業利益6億2200万円(同51.3%減)、純利益2億8200万円(同66.1%減)となり、通期業績は売上高54億4400万円(前期比7.4%減)、営業利益1億円(同88.9%減)、最終損益1億6400万円の赤字(前期7億600万円の黒字)と従来予想を据え置いた。

■太平洋セメント <5233>  298円 (+17円、+6.1%)

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付で太平洋セメント <5233> の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価450円を据え置いたことが買い材料視された。リポートでは、同社の業績を牽引する米国西海岸における需要低調は、天候要因による一時的なものである可能性が高く、今後回復に向かうと報告。その上で、年初来の株価下落により、株価が織り込む同社業績は悲観的過ぎるとし、株価再評価余地が十分あると指摘している。

■日本商業開発 <3252>  1,760円 (+88円、+5.3%)

 27日、日本商業開発 <3252> が持分法適用関連会社であるニューリアルプロパティ(NRP)の連結子会社化に伴い、第1四半期に特別利益を計上すると発表したことが買い材料視された。NRPが自社株買いを実施したことで同社の議決権所有割合が30.57%→72.08%に上昇したため、NRPは同社の連結子会社となった。NRPの連結子会社化に伴い、17年3月期第1四半期に、負ののれん発生益27.9億円を特別利益に計上する。なお、今期業績予想には織り込み済みとしている。

■ユニゾホールディングス <3258>  5,400円 (+240円、+4.7%)

 ユニゾホールディングス <3258> が反発。27日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「バイ」継続、目標株価を6750円から7700円に引き上げた。中計投資計画1800億円に対して初年度の16年3月期に816億円を実行、ホテル客室単価上昇などもあり、17年3月期営業利益は中計目標を前倒しで達成すると予想。17年3月期を通期連結営業利益で従来予想の123億円から会社側計画と同様の130億円(前期106億600万円)へ、18年3月期を137億円から141億円へ引き上げている。

■東芝 <6502>  278.6円 (+12.3円、+4.6%)

 東芝 <6502> が連日の年初来高値。30日、トルコの大手電力事業者ゾルルエナジーグループがトルコ西部に建設を予定している欧州・中東最大級の地熱発電所向けに、蒸気タービン・発電機などフラッシュ型発電設備一式を受注したと発表しており、これを好感した買いが入った。同プロジェクトは、発電能力7万キロワットで、欧州・中東最大級となる地熱発電所プロジェクト。東芝では16年12月からの納入を予定しており、17年10月に運転を開始するとしている。

■オープンハウス <3288>  2,920円 (+122円、+4.4%)

 オープンハウス <3288> が上場来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、主力事業の好調が続き中期的に増益基調が続くと指摘。東京都内や川崎を中心に展開する戸建事業は、競合する新築マンションの建築費・販売価格高騰により価格優位性が高まることから販売戸数増加や単価上昇を予想し、流動化事業は仕入れの優位性に加えマイナス金利効果、エリア拡大、1棟アパートなどの用途拡大により成長持続を予想。レーティング「バイ」を継続、目標株価を3260円から3710円に引き上げている。

■カルソニックカンセイ <7248>  871円 (+35円、+4.2%)

 カルソニックカンセイ <7248> が続伸。TIWでは、24日に日産自動車 <7201> が同社の全保有株の売却を検討と報道されたことを受け、開発段階から関わりが強いなか、日産内でのシェア急減による同社業績の急減速などは想定し難いものの、資本関係を中心に不透明感が強まったことが当面株価の重石になると指摘。レーティングを「2+」から「2」に引き下げている。

■エイチ・アイ・エス <9603>  2,930円 (+110円、+3.9%)

 27日、エイチ・アイ・エス <9603> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.75%にあたる110万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は6月20日から7月20日まで。同時に16年10月期の連結経常利益を従来予想の254億円→167億円に34.3%下方修正。従来の12.0%増益予想から一転して26.4%減益見通しとなったが売り材料視されなかった。

■浜松ホトニクス <6965>  2,980円 (+110円、+3.8%)

 27日、浜松ホトニクス <6965> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.36%にあたる380万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。このうち110万株を30日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は27日終値の2870円)を実施する。

■日産自動車 <7201>  1,105円 (+40.5円、+3.8%)

 日産自動車 <7201> が反発。SMBC日興証券では、三菱自動車工業 <7211> との戦略提携について、アジアも含めた日産の生産拠点からの車両供給、日産からの技術やプラットフォーム、サプライチェーン等の提供、三菱グループの販売リソースや開発リソースの活用などが期待されると指摘。北米中心の新車攻勢とともに新たな成長戦略にも期待し、レーティング「1」を継続、目標株価を1300円から1500円に引き上げ。国内大手証券では、株主還元と三菱自動車との提携効果を評価し、三菱自動車が強いASEANやPHEVを活用し利益成長が更に加速すると解説。レーティング「バイ」を継続、目標株価を1400円から1650円に引き上げている。

■富士重工業 <7270>  4,120円 (+149円、+3.8%)

 富士重工業 <7270> が大幅に4日続伸。SMBC日興証券はリポートで、中期的には、米国ではリテンションアップのための販売網強化に加え、パワートレイン除く車両組立工場18万台で製造固定費が300億円近く増加する計画だが、今後の規模拡大に対する効率化は課題となると指摘。また、中期計画「際立とう2020」のアップデートの中で20%下方修正した米国以外の販売強化も今後の成長に不可欠で、これらへの取り組み、強化策等はアップサイドポテンシャルとして注目したいと解説。同証券では今回、業績予想の上方修正に伴い、目標株価を4500円から4700円へ引き上げ、投資評価は「1」(アウトパフォーム)を継続している。

■ディップ <2379>  3,015円 (+107円、+3.7%)

 ディップ <2379> が続伸し、年初来高値更新。30日、人工知能(AI)領域におけるメディア「AINOW(アイノウ)」を6月上旬から提供開始すると発表し、好感された。「AINOW」は、人工知能関連のニュースだけを1万件以上掲載する日本初のキュレーションメディア。掲載情報量は日本最大規模となるほか、豊富な記事の中から役立つ記事のみを見つけ出す機能を実装する予定としており、企業や技術者、学生に必要な情報を素早く提供できるサービスを目指す。

■GMOインターネット <9449>  1,312円 (+44円、+3.5%)

 27日、GMOインターネット <9449> があおぞら銀行 <8304> 、あおぞら信託銀行とインターネット銀行を共同運営することで合意したと発表したことが買い材料視された。6月下旬を目標に最終契約の提携に向けて協議を進める。両社はEC事業者を含む中小企業向けにショッピングカートや決済代行サービスと連動した生産性向上につながる銀行サービスを低価格で提供するほか、個人顧客にITを駆使したスマートな次世代型機能とGMOクリック証券と連携したサービスを提供する。また、外部のフィンテック企業と連携した新たなサービスを展開する方針。発表を受けて、業容拡大による収益基盤の拡大に期待する買いが向かった。


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