市場ニュース

戻る
 

【市況】後場に注目すべき3つのポイント~17000円レベルでの強弱感対立

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

30日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・17000円レベルでの強弱感対立
・ドル・円は110円97銭付近、一時111円を回復、日本株高でリスク選好的な動き
・フィンテック関連が改めて物色されている



■17000円レベルでの強弱感対立

日経平均は続伸。150.36円高の16985.20円(出来高概算7億9000万株)で前場の取引を終えている。先週末のイエレンFRB議長講演では、今後数ヶ月内での利上げの可能性を示唆したほか、国内では増税再延期が確実視されるなか、円相場では1ドル110円80銭辺りと円安に振れて推移していることを受けて、日経平均は16900円を回復して始まった。

その後はやや上げ幅を縮める場面もみられたが、円相場が1ドル111円台と1ヶ月ぶりの水準をつけており、日経平均は前引けにかけて上げ幅を広げ、節目の17000円にあと一歩に迫っている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは輸送用機器、ガラス土石、パルプ紙、食料品が上昇。一方で、空運、鉄鋼、証券が小安い。

日経平均は節目の17000円にあと15円程度に迫っている。米国と英国市場が祝日となるため資金流入は限られているが、価格帯別出来高の膨れている水準を捉えてきており、17000円突破となれば、センチメント改善が意識されてこよう。その他、先週に改正銀行法および改正資金決済法が参院本会議で可決・成立したことを受けて、フィンテック関連が改めて物色されている。ブランジスタ<6176>など、個別に材料が出ている銘柄等への物色も活発であり、より先高期待が高まりそうである。

日経平均は17000円近辺での戻り売り圧力も警戒されやすいであろう。一方で、高村自民副総裁は、安倍首相と会談し、消費税増税を2年半先延ばしするとの発言があったことを明らかにしたと報じられている。米利上げへの思惑等などからも円安に振れやすいなか、調整局面での押し目拾いのスタンスとなる。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は110円97銭付近、ドル一時111円を回復、日本株高でリスク選好的な動き


30日午前の東京外為市場で、ドル・円は111円を回復した。日経平均株価の堅調地合いを受けた値動き。

ドル・円は110円前半で寄り付いた後、日経平均株価の堅調地合いを受けリスク選好的なドル買い・円売りが続いた。昼前には一時111円03銭まで上昇。4月28日以来の高値圏となった。

足元で上海総合指数は冴えない値動きだが、ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いが続いており、米6月追加利上げ観測を背景としたドル買いの動きが後退する可能性は低いとみられている。

ここまでドル・円は110円37銭から111円03銭、ユーロ・ドルは1.1098ドルから1.1116ドル、ユーロ・円は122円67銭から123円24銭で推移している。

12時15分時点のドル・円は110円97銭、ユーロ・円は123円20銭、ポンド・円は162円24銭、豪ドル・円は79円56銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・フィンテック関連が改めて物色されている
・円安進行好感で、業種別では輸送用機器が上昇率トップ
・日揮<1963>や千代建<6366>などのプラント大手も値下がり寄与上位に
・トヨタ<7203>、ホンダ<7267>などレーティング引き下げ
・日産<7201>、富士重工<7270>など11社の目標株価変更


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし


<海外>
・英休場(スプリング・バンク・ホリデー)、米休場(メモリアルデー)

《WA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均