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【経済】NYの視点:米耐久財受注は改善、コア資本財受注は依然弱い


米商務省が発表した4月耐久財受注は前月比3.4%増と、市場予想0.5%増を上回り1月以来の大幅な伸びとなった。変動の激しい輸送機を除いた4月耐久財受注も前月比0.4%増と、市場予想0.3%増を上回りやはり1月来で最大の伸びとなった。国内総生産(GDP)の算出に用いられる航空機を除いた非国防資本財の出荷は0.3%増と、7か月ぶりのプラスに転じた。しかし、3月分は0.5%増から0.3%減に下方修正された。また、企業の設備投資を示す非国防資本財の受注は前月比0.8%減と、予想外に3か月連続のマイナスに落ち込み製造業は依然低迷している証拠となった。

6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は、米連邦準備制度理事会(FRB)が4月のFOMC議事録公表前の2-4%前後から一時40%近くまで上昇したが、米国の製造業が依然低迷しているため、28%に再び低下した。6月FOMCでの利上げは、英国のEU離脱の是非を問う国民投票を控え不透明性が強く、困難との見方が根強い。

米商務省は1-3月期国内総生産(GDP)の改定値を発表する。速報値の0.5%増から0.9%増に上方修正される見込み。4-6月のGDPは7月になるまで発表されないため、6月FOMCでの利上げの可能性を探るためには1-3月期GDPの結果が重要となってくる。悲観的な見方がくすぶる中、アトランタ連銀は4-6月期GDPの成長見通しを従来の2.5%から2.9%へ引きあげた。本日の4月耐久財を受けて民間投資の成長見通しを事前の-0.3%から+0.4%へ、米商務省が25日に発表した4月前渡商品貿易収支を受けて、4-6月期GDPの輸出の寄与率も-0.04%から+0.16%にそれぞれ上方修正したことが要因だとした。

《NO》

 提供:フィスコ

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