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【特集】値動き軽やか、東証2部銘柄に照準 <GW特集>

理経 <日足> 「株探」多機能チャートより

 東証1部市場と、マザーズやジャスダックの新興市場の間に挟まれてやや存在感が薄い印象のある東証2部市場だが、個人投資家にとっては取り組みやすい要素も多く持ち合わせている。改めて東証2部市場の魅力について見直してみたい。

●個人投資家にとって魅力的な存在

 東証2部市場には現在約540社が上場している。新規上場したばかりの銘柄から長年2部上場を続けている企業、さらに2013年7月の東証・大証統合に伴い大証2部単独上場だった銘柄も加わり、個性的な企業が多いのが特長だ。

 2部市場が個人投資家にとって魅力的なのは、東証1部市場と異なり株価指数先物取引による全体相場の変動に個別銘柄が左右されない点だ。さらに、株価面では比較的低位の銘柄が多く、最低投資単位当たりの金額が東証1部や新興市場の銘柄に比べて少額で参加しやすい面もある。また、PERやPBRの面でも割安感がある。一方、売買高が少なく流動性に乏しいという芳しくない面はあるものの、これは裏を返せばボラティリティの高さにもつながっている。

●理経は多言語情報サービスで防災に貢献

 IT関連機器を輸入販売する技術系商社の理経 <8226> [東証2]を防災関連銘柄として注目。同社は、地震など大きな災害の際に、その地方自治体ごとに多言語のメールで情報を流すシステムに強みを持ち、自治体向けの防災情報システムを主力事業の一つとしている。今回の熊本地震の発生で、全国自治体でも防災意識の高まりが予想される。同社は、外国人登録者数が4000人を超える全国100カ所以上の自治体や、東京五輪開催に向けて在住外国人や訪日観光客の増加が見込まれる自治体に対し、新たな発信・連絡手段として提案していく方針だ。

●TOREXは今期業績回復に期待感

 トレックス・セミコンダクター <6616> [東証2]は、アナログ電源ICに特化したファブレスメーカーで、17年3月期からの業績回復が期待できる。車載用の電源ICが採用車種の拡大で好調推移が予想されるのをはじめ、産業機械向けも新製品の寄与が見込める。同社は4月1日に、筆頭株主のフェニテックセミコンダクターからの第三者割当増資を引き受け、子会社化が完了。17年3月期連結業績には、フェニテックの売上高や利益がまるまるオンしてくる。フェニテックの業績は、好調推移が見込まれ変化率妙味は大きい。また、フェニテックが保有するトレックス株式は、自己株式として保有し、将来的な自己株買いの方針も明らかにしている。

●田岡化学は積極的中期経営計画を評価

 田岡化学工業 <4113> [東証2]は、住友化学 <4005> 系の化学品メーカー。樹脂原材料、電子材料が好調で16年3月期業績見通しを1月28日に上方修正している。17年3月期は、樹脂原料や電子材料の出荷が増加し、農薬中間体の出荷が回復することから堅調な業績推移が予想される。同社は4月14日に中期経営計画の更新を発表し、2020年度の営業利益を20億円(16年3月期は16億円の推定)に拡大するとしている。時価水準でのPERは5倍台、PBRも0.7倍台と指標面での割安感もある。

●マミヤ・オーピーは自動運転関連で注目

 マミヤ・オーピー <7991> [東証2]は、パチンコ周辺機器の製造で知られるが、ゴルフ関連製品も手掛けている。注目なのは、自動運転関連銘柄の一角であるということ。同社は、近い将来の新規上場が有力視される自動運転技術の中核企業の「ZMP」と、自律走行のゴルフ場向け芝刈りロボットを共同開発している。既に実用運転をスタートしており、17年3月期中には本格販売をスタートさせる見通し。業績も好調で、配当利回りは3%台と高水準にある。

●鶴弥は今期87%営業増益予想と急成長

 鶴弥 <5386> [東証2]は、愛知県地盤の陶器瓦専業メーカー最大手。同社は4月26日、17年3月期の単体業績予想を発表し、売上高100億円(前期比10.8%増)、営業利益10億円(同87.6%増)、最終利益6億2000万円(同2.5倍)と90%近い営業増益を見込んでいる。今期は消費増税前の駆け込み需要を想定していることに加え、生産活動で、受注生産方式の導入を図るほか、昨年から発売している陶板壁材「スーパートライWall」の販路拡大が奏功することになる。


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