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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 目先の相場は波乱の展開に!

株式評論家 杉村富生

「目先の相場は波乱の展開に!」

●NYダウ、日経平均ともに正念場!

 短期的な視点では当面の相場は、波乱含みの展開になる、と考えている。NYダウ平均日経平均株価ともに、正念場を迎えつつある。日本市場は政策対応次第だろう。NY市場(S&P500)のPERは17倍を超え、ここ数年来のPERのゾーン(14~17倍)の上限に到達した。NYダウが昨年5月19日の史上最高値(1万8312ドル)を奪回し、一段高に進むには1株利益(EPS)の増加が不可欠だろう。

 しかし、足元の企業業績は冴えない。半面、FRBの利上げペースの鈍化(2016年は当初、4回といわれていたが、最近は1~2回が有力に)に加え、5720億ドル(2015年実績→約63兆円)の自社株買いが株価を支えている。とはいえ、自社株買い金額+配当額が利益に占める比率(総還元額性向)は125%に達している。これを継続するのは無理ではないか。

●テーマ性を有する“小物”にマトを!

 一方、日本企業の2017年3月期はトップダウン(ストラテジスト、アナリストの予想)が5%減益、ボトムアップ(各個別企業の利益を積み上げた予想)が15%減益とされている。間をとると、10%減益になる。これを前提にすると、日経平均の今期のEPSは1042円(現在は1098円)に低下する。

 この結果、日経平均の予想PERは16.74倍(4月26日時点では15.78倍)に高まる。これまた、ここ数年のPERのゾーン(13~17倍)の上限に接近する。今後、2016年3月期の決算発表がヤマ場を迎えるが、2017年3月期の見通し(想定為替レートは1ドル=117円46銭)は総じて慎重なものになろう。

 投資戦術は引き続いて、テーマ性を有する“小物”にマトを絞った作戦が有効だろう。具体的には4月21日の高値(2229円)比4割強の急落を演じたグリーンペプタイド <4594> [東証M]、切り口多彩なジグソー <3914> [東証M]、抜群に強いアクセルマーク <3624> [東証M]、ノジマ <7419> [JQ]などに注目できる。

 さらに、田中化研 <4080> [JQ]、アスコット <3264> [JQ]、そーせいグループ <4565> [東証M]も狙える。主軸株についてはこれまで同様上値を追わず、突っ込み買いの吹き値売り方針を堅持すべきである。4月27~28日の日銀金融政策決定会合では何もなかった。予想通りの結果である。

2016年4月28日 記

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