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【特集】「卒業・入学シーズン到来、売れ筋の文房具は?」丸善に聞きました! <直撃Q&A>

松尾喜直氏(丸善ジュンク堂書店 営業本部文具営業部副部長)

 今年も“春の卒業・入学シーズン”を迎えている。この時期は卒業や入学、あるいは就職・転勤で新生活の準備を始めている人も多く、新たな旅立ちに向けてのお祝いや送別会で文房具を記念品として贈ることも少なくない。そんないま、どんな文房具が流行し、売れ筋となっているのか。そして訪日外国人観光客が選ぶ日本の文房具とは? 丸善CHI <3159> の丸善ジュンク堂書店営業本部文具営業部の松尾喜直副部長に丸の内本店で聞いた。

●松尾喜直氏(丸善ジュンク堂書店 営業本部文具営業部副部長)

Q1 この春の売れ筋文房具を教えてください

 ボールペンでは、菱鉛筆 <7976> の「ユニボールエア」が予想以上に売れています。この商品は新開発のペン先を搭載しており、空気のように軽く書けることが特長です。昨年11月に発売され、0.5と0.7ミリの2種類とインクは黒と赤と青の3色を用意していますが、一部品切れも出ています。

 丸の内本店は東京駅に近いことから30~40歳代のビジネスパーソンがメーン客層となります。このため、歓送迎会でのプレゼントは実用性が高くて名入れができるものが喜ばれます。価格帯は5000円から1万円前後の名刺入れ、IDカードホルダー、ペンケースなどの革小物やボールペンや万年筆といった高級筆記具がよく売れます。高級筆記具の海外メーカーといえばパーカーやペリカンは有名ですが、国内メーカーですとパイロット <7846> 、セーラー <7992> [東証2]、プラチナ万年筆(東京都台東区)が挙げられます。日本の万年筆メーカーは日本語特有のトメ・ハネ・ハライといった書き方に配慮したペン先調整をされていて、かすれやインクが出にくいこともなく、売れ行きは順調です。

Q2 入学・卒業に絡み人気のある文房具はいかがですか

 小学校入学あるいは卒業祝いには、三菱鉛筆やサクラクレパス(大阪府中央区)の画材セットなどが選ばれています。中学生以上だとパスケースやペンケース、ボールペンなどが好評で、新社会人には1万円から3万円位までの高級筆記具や革小物が良く出ています。ここでも名入れの商品は喜ばれています。

Q3 訪日外国人観光客に人気の文房具はありますか?

 最近は実用文具メーカーとキャラクターブランドのコラボレーションによるペンなどの人気が強いですね。キャラクター文具を扱うバンナムHD <7832> 子会社のサンスター文具(東京都台東区)と他の文具メーカーが提携して販売しています。海外でも人気のあるキャラクターと信頼度の高い文具の組み合わせの評判はとても良いです。1月に関西国際空港にある当社の店舗をリニューアルした際に「サンリオ <8136> 」や「スタジオジブリ」、「ディズニー」、「サンエックス」の棚を設けました。これが外国人に受けて、リニューアル後の売り上げは前年に比べ数倍にもなりました。

Q4 最後にイチオシの文房具を教えてください

 コクヨ <7984> のテープカッター「カルカット」が私のおススメ商品です。従来のテープカッターは刃がギザギザで荒く、力を入れなければならないものでした。この商品は、特殊加工刃を使用しているため、切り口がまっすぐになるだけではなく、力を入れずに軽く切ることができます。店頭で従来品と同製品を体験用にディスプレーすると簡単にテープを切れることに驚くお客様を見かけます。また、夏目漱石や内田魯庵が愛用した原稿用紙をモチーフとした当社オリジナルの万年筆用箋「萬年筆物語」もよく売れていますよ。

(聞き手・吉野さくら)

●丸善ジュンク堂書店 丸の内本店
東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ ショップ&レストラン1~4階


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