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【特集】イグニス Research Memo(4):更新型アプリの運営強化に期待


■決算動向

(3) 2016年9月期業績予想

2016年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、第1四半期の実績や足元の状況を勘案して、期初の売上高予想を増額修正するとともに、非開示であった利益予想を発表した。新たな業績予想は、売上高が前期比65.4%増の4,000百万円(修正幅+500百万円)、営業利益が700百万円(前期は38百万円の損失)、経常利益が700百万円(前期は148百万円の損失)、当期純利益が550百万円(前期は306百万円の損失)と大幅な増収増益(黒字転換)となる見通しである。

同社は、2016年9月期の成長戦略のポイントとして、「無料ネイティブアプリ」については更新型アプリ(特にコミュニケーションジャンル)の運営強化によるアプリのライフタイム向上、「ネイティブソーシャルゲーム」については「ぼくとドラゴン」の開発及び運営体制強化及びネット広告以外のプロモーションによる収益拡大を掲げている。

売上高は、年間を通して「ぼくとドラゴン」が収益の柱となる想定であり、本格的な収益貢献のタイミングに不確実性のある更新型アプリの収益貢献は限定的とみているようだ。一方、損益面では、増収効果による増益を見込んでいるが、人件費の増加に加えて、「ぼくとドラゴン」にかかる広告宣伝費の積極投入等を織り込んでいることから、営業利益率は17.5%にとどまる見通しとなっている。なお、2016年2月1日には、持分法適用関係会社であるM.T.Burnの株式を譲渡したことにより、特別利益として関係会社売却益590百万円を計上している。

弊社では、「ぼくとドラゴン」が第1四半期だけで11.8億円の売上高を計上したことに加えて、コンテンツの拡充やイベントの実施など開発及び運営体制の強化により更なる成長の余地があることから、同社の業績予想はやや固めの水準とみている。また、更新型アプリの本格的な収益貢献が早まることで業績が上振れる可能性もある。一方、損益面については、広告宣伝費のかけ方で大きく左右されるものとみている。特に「ぼくとドラゴン」が想定よりも早く失速する場合や、逆に更なる拡大のチャンスと判断する局面においては、様々な手段によって広告宣伝費を大きく投入する可能性があり、四半期ごとの損益の状況とその背景をフォローしていく必要があるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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