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【市況】新興市場見通し:循環物色の流れでしっかりした展開、チエルなど3社IPO


先週の新興市場は、円高進行などから日経平均が軟調となるなか、相対的に堅調に推移した。週半ばには日経平均の下落に連れた利益確定売りや、3月18日の6社同時上場に備えた換金売りに押される場面があったものの、全般に小型材料株・テーマ株の循環物色の流れが続いた。18日の6社同時上場を通過すると、IPO銘柄の利益確定に伴う資金の還流もあり、マザーズ指数はプラスに切り返す展開となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は+0.5%、日経ジャスダック平均は+0.2%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.2%安、そーせいグループ<4565>が同7.8%安とマザーズ主力はやや軟調だったが、FFRI<3692>はリリースを手掛かりに週末急伸し同13.0%高となった。ジグソー<3914>は同26.4%と大きく上昇し、連日で上場来高値を更新した。また、マザーズでは、材料が観測されたうえテーマ株物色の流れに乗ったカイオム・バイオサイエンス<4583>やGMOメディア<6180>、新作ゲームへの期待が根強いブランジスタ<6176>の上昇が目立った。ジャスダック主力ではクルーズ<2138>が同8.2%高、セリア<2782>が同6.5%高、デジタルガレージ<4819>が同13.7%高となった。また、トリケミカル研究所<4369>、フジタコーポレーション<3370>が急伸したほか、フィスコ<3807>がリリースを受けて商いを伴い大きく上昇した。反面、ハーバー研究所<4925>、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>などが売られた。なお、今週は12社が新規上場するIPOラッシュとなった。このうち、18日上場のグローバルグループ<6189>が公開価格を60%上回る初値となったほか、アグレ都市デザイン<3467>は公開価格の約2.0倍となる高初値を付けた。セカンダリーではLITALICO<6187>、昭栄薬品<3537>、フェニックスバイオ<6190>などが買われる場面があった。

今週の新興市場は、引き続きしっかりとした展開になりそうだ。主力輸出株は米利上げ観測の後退に伴う円高進行が重しとなり、内需関連銘柄の多い新興市場に資金が向かいやすい。とりわけ値動きの軽い小型材料株・テーマ株への個人投資家による循環物色の流れが継続するとみられる。3月期末を前に、配当・株主優待取りの動きも株価の下支え要因になるだろう。

なお高い人気を維持しているフィンテック関連・仮想通貨関連や、政策期待の高まっているグローバルグループなどの保育関連の動向を注視したい。3月24日にはLINEが5周年を控え大型カンファレンスを実施することから、アドウェイズ<2489>などの関連銘柄に思惑買いが向かいそうだ。また、25日からは「AnimeJapan2016」が開催される。コンテンツの海外展開に向けた政策の追い風期待で東映アニメーション<4816>などに注目だ。

IPO関連では、3月22日にチエル<3933>がジャスダックへ、24日にベネフィットジャパン<3934>がマザーズ、ウイルプラスHD<3538>がジャスダックへそれぞれ新規上場する。チエルは公開規模が小さいうえ、教育ICT関連のテーマ性もあり、事前の人気は高いようだ。なお、先週はグローバルウェイ<3936>(4月19日、マザーズ)、ジャパンミート<3539>(4月21日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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