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【特集】ダイヤモンドダイニング Research Memo(9):不採算事業からの撤退で損益面は大幅な回復か


■決算概要

(4) 2016年2月期の業績予想

2016年2月期の業績予想についてダイヤモンドダイニング<3073>は、海外飲食事業(シンガポール)における業績不振及び事業撤退に伴う減損損失の計上などの影響を受け、期初予想を減額修正した。修正後の業績予想は、売上高が前期比15.0%増の30,000百万円(修正幅:△68百万円)、営業利益が同6.7%減の900百万円(修正幅:△301百万円)、経常利益が同11.1%減の850百万円(修正幅:△298百万円)、当期純利益が0百万円(前期は385百万円の利益、修正幅:△477百万円)と見込んでいる。売上高予想に大きな修正はないものの、利益予想を大きく切り下げたことから、期初の増収増益予想から一転して増収減益予想となった。

修正後の業績予想を達成するためには、当第4四半期だけの業績として、売上高8,228百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益630百万円(同60.7%増)が必要となる。弊社では、当第3四半期までの出店計画が順調に進んでいることや既存店売上高が足元で好調に推移※していることから、売上高予想の達成は可能と判断している。一方、利益予想についても、期初予想を下回る要因となった海外飲食事業(シンガポール)やハワイウェディング事業等による損失分を織り込んだ水準になっていることに加えて、当第4四半期は出店費用がほぼ一巡することや費用圧縮の余地などを勘案して、さらに利益予想を割り込む可能性は低いと見ている。

※繁忙期に当たる2015年12月単月の既存店売上高は前年同月比3.5%増(飲食2.1%増、アミューズメント7.4%増)と好調であった。


(5)来期(2017年2月期)の業績見通し

弊社では、今期(2016年2月期)が、海外飲食事業(シンガポール)における業績不振及び事業撤退の方向性の決定の影響等により、利益面では一旦後退する見通しとなったが、積極的な出店拡大が順調に進んでいることや既存店も堅調に推移していることから、同社の成長戦略はおおむね順調に進展しているものと見ている。また、来期(2017年2月期)については、今期(2016年2月期)出店分が期初から寄与することや、高収益ブランドを軸とした積極的な新規出店の継続により持続的な売上成長を実現するとともに、不採算であった海外飲食事業(シンガポール)からの事業撤退などから損益面での大幅な回復を見込んでいる。同社でも、来期(2017年2月期)は国内の既存事業に軸足を一旦戻し、しっかりと収益体質の強化を図る方針のようだ。ただ、毎期45店舗前後の新規出店を前提とした出店計画については、業界環境等を見据え、やや慎重な姿勢となる可能性も否定できず、今後の動向に注意する必要がある。また、2016年秋頃に予定している国内のウェディング事業などへの先行費用が利益を圧迫する要因となる可能性にも注意が必要となろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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