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2016年03月03日19時00分

【特集】爆上げモードの低位株、「次の一手」 <うわさの株チャンネル>

マミヤ・オーピーの日足チャート 「株探」多機能チャートより

― 株式市場に南風、北浜、植木、雨宮3氏はこうみる ―

 東京株式市場は3月相場入りとともに底入れの動きを強めてきた。2日に日経平均株価は661円高と大幅高を演じ、3日もその余勢を駆って上値指向を継続、約1カ月ぶりとなる1万7000円の大台回復も指呼の間にとらえている。年初からの波乱相場が一巡し、南風を感じる地合いとなったことで、これまで冬ごもりを決め込んでいた個人投資家資金もにわかに動き出す気配をみせている。

 それと連動するかたちで、株価を急騰させる銘柄が相次いでいるのが低位株に位置付けられる銘柄群である。東証1部、2部、新興市場を問わず、株価100~300円台の銘柄に物色人気が集中する傾向がみられる。

●ロケットスタート銘柄相次ぐ

 直近では、3月相場入り早々に新興市場でスマートフォン向け有料コンテンツを配信するインテア <3734> [東証M]や省エネ断熱材を手掛ける日本アクア <1429> [東証M]、さらに光学機器メーカーで監視カメラも展開するTホライゾン <6629> [JQ]などが揃って急騰、市場の注目を集めた。

 2日には東証2部のマミヤOP <7991> [東証2]が急動意、底値離脱を鮮明とし、3日にはインプレス <9479> が材料株素地を全面開花させて東証1部値上がりトップに買われる人気となった。

 マミヤOPは、相場の有力テーマに浮上している自動運転車関連のキーカンパニーであるZMPと共同でGPS自律移動ロボを開発、障害物検知機能を搭載し、当初はゴルフ場の芝刈りなどでの活用を見込み、17年3月期に本格投入、数年内に20億円規模の売り上げを目指している。また、ゴルフ用品を手掛けていることで、2日に上場したVゴルフ <3931> [東証M]が人気となるなか、これも株価を刺激する格好となった。

 一方、インプレス <9479> は、大幅高の材料は特に指摘されていなかったものの、急騰習性は折り紙付きだ。業績は14年3月期、15年3月期と営業利益段階からの赤字が続いていたが、16年3月期はデジタル広告が収益を下支えし黒字化する見通し。昨年3月にも株価を100円台から400円台に急騰させた経緯があり、その時の残像が鮮烈で、今回も短期資金の買いの拠りどころとなった感が強い。

 このほかに海運株の“暴れん坊”明治海 <9115> や、地政学リスクがしばしば上昇エネルギーとなる東京計器 <7721> など、“足の速い”低位株が次々とロケットスタートを切る動きをみせている。

●低位株相場、著名評論家はこうみる

 今の低位株人気について「個人投資家のセンチメントが改善していることの表れではないか」と指摘するのは株式アドバイザーの北浜流一郎氏だ。氏いわく「個人投資家は元来逆張りが主流だが、相場の体感温度が高まるなかで株価水準の低い銘柄に目が行くのは理にかなっている。とくに、低位でもしっかりと配当や株主優待を実施している企業は多く、3月決算銘柄では駆け込みの権利取り狙いも生じる」と分析している。

 また、株式評論家の植木靖男氏は「日経平均が3日続伸となったことで全般は戻り相場に入った公算が大きいが、個人投資家の参戦はまだ限られている。そのなか、比較的経験の浅い個人投資家がNISAで買う対象として浮上しているのが、川重 <7012> やIHI <7013> 、郵船 <9101> といった銘柄。株価は低位でもトップブランド企業であり、光が当たり始めた」と指摘している。

 「低位株は個人投資家の土俵。ローリスク・ハイリターンの銘柄を選別するのはそれなりに大変だが、なるべく多くの銘柄を分散して保有するパック投資が有効」とアドバイスするのは株式ジャーナリストの雨宮京子氏だ。「今の相場は地合いの変化が目まぐるしく下値リスクも常に意識しなければならない。ならば、下げ余地の少ない低位株に照準を合わせるとともに、決め打ちしない投資作戦で、保有する銘柄のどれか一つが開花するだけでも十分な成果は得られる」と主張する。なお、個別には「4月を控え、資格取得ニーズが高まることが予想されるTAC <4319> や、補正予算の追い風が期待されるゼニス羽田 <5289> [東証2]などに注目している」(雨宮氏)という。

●銘柄選びは慎重さも必要

 このほか、市場関係者の間では、LINK&M <2170> 、日エスコン <8892> [東証2]、駒井ハルテク <5915> 、化工機 <6331> 、宮入バ <6495> [東証2]などの妙味を指摘する声があった。

 これは低位株に限ったことではないが、短期値幅取りを狙うのであれば、その銘柄のファンダメンタルズには敢えて目をつぶって、チャートが好形であるものを選別した方が良い場合が多い。ただし、中長期スタンスで腰を据えた王道投資を考えるのであれば、割安さや今、来期の業績見通しは重要だ。株価が安いからといって塩漬けを回避できる保証はなく、その点は慎重な銘柄選びが必要となる。

 いずれにしても、全体相場は急反騰後にいったんボックス圏に入る可能性も高く、もみ合い相場となれば、間欠泉のように噴き上げる低位株の一群は個人投資家にとって魅力的なエリアであることに間違いはなさそうだ。

(中村潤一)


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