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【特集】メディア工房 Research Memo(4):2010年に長沢氏が社長に就任したことが転機に


■沿革

メディア工房<3815>事業の発足は、1998 年4 月に、同社前身である有限会社フラミンゴ(1997 年10 月設立)の出資口数を現代表取締役社長の長沢一男(ながさわかずお)氏が譲り受け、有限会社メディア工房へ商号変更及び事業目的の変更を行ったところに遡る(株式会社へ2001 年商号変更)。1998 年5 月に東京デジタルホン(現ソフトバンクモバイル株式会社) 向けに、音声応答サービスによる占いコンテンツの配信サービスを開始。事業立ち上げ当初は、通信キャリアやISP 向けの受託開発(占いをデジタルコンテンツ化して提供)を中心に事業基盤の確立を図った。業績の伸び悩みに直面した同社であったが、2010年に株主であった長沢氏が社長に就任したことが事業立て直しの転機となった。日本債券信用銀行(現あおぞら銀行<8304>) 出身の長沢氏は、自ら占星術についての専門性を深めるとともに、人気占い師との関係構築や本格的なコンテンツ作りに注力したことでユーザーからの支持を集め、キャリア公式サイトで上位にランキングされる人気コンテンツを次々と生み出し、2006 年には東証マザーズへ上場した。

その後も携帯コンテンツ市場の拡大を追い風としながら順調に業績を拡大。コンテンツジャンルの拡大(占いとターゲット層が重なる恋愛シミュレーションゲームや美容コンテンツ等)や配信網の拡大(SNS への対応等)にも注力した。

海外展開については、2013 年2 月には日本より占い市場が大きいと言われる韓国に100% 子会社である株式会社MKB コリアを設立すると、2014 年4 月には韓国最大手の通信キャリアであるSK テレコムが運営するプラットフォーム「T store」へ占いコンテンツの配信を開始した。(現在は配信を停止。)

一方、スマートフォンへの急速なシフトにも迅速に対応。2011 年11 月にNTT ドコモ<9437>の「d メニュー」向けに一挙26 コンテンツを配信すると「App Store」へのアプリ提供も開始。2012 年12 月には急拡大するLINE へのコンテンツ提供も開始した。

また、2013 年5 月にはO2O 広告ビジネスの展開を目的として、韓国の(株)ギフトカムと合弁で(株)ギフトカムジャパンを設立(現在同社の100%子会社)するとともに、子会社であるMK コミュニケーションズ(2015年3月に吸収合併)にて「電話占いサービス」も開始するなど、新規事業にも積極的に取り組んできた。2014 年10 月には海外の人気ゲームを国内で独占配信する(株)ブルークエストを連結子会社化すると、2015年1月には自社ブランド「OBOKAID’EM」を立ち上げ、ゲーム事業(ネイティブアプリ)にも本格参入した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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