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【通貨】為替週間見通し:ドル・円は底堅い動きを続けるか、日銀による追加緩和への期待強まる


■原油高や株価反転を好感してドルは118円台後半まで上昇

先週のドル・円は反発。欧州中央銀行のドラギ総裁は21日に行われた会見で追加緩和の可能性を示唆したことや、原油先物の大幅反発を意識してリスク回避の円買いは急速に縮小した。20日のロンドン市場でドル・円は一時116円を下回ったが、米国株が下げ止まり、NY原油先物が反転したことからドルを買い戻す動きが広がった。

22日の日経平均株価は、原油先物の反転や日本銀行による追加緩和観測が浮上したことで前日比900円超の大幅高となった。同日の欧米株式も大幅高となり、NY原油先物は32ドル台まで上昇したことを好感して、ドルは一時118円88銭まで買われており、118円70銭台でこの週の取引を終えた。取引レンジは115円98銭-118円88銭。

■ドル・円は底堅い動きを続けるか、日銀による追加緩和への期待強まる

今週のドル・円は底堅い動きを続ける見込み。3月の米利上げに向けて市場は手探り状態にあるようだが、日本銀行は今回の金融政策決定会合で、何らかの手段で追加の金融緩和を行う可能性はある。日銀がETFの買い入れ増額などの措置を講じた場合、ドル高・円安に振れる可能性が高い。ただ、その場合でも心理的な節目である1ドル=120円台に上昇する可能性は低いとみられる。

日銀による追加緩和への思惑が広がったことが日本株の大幅反発につながったようだが、日銀が資金供給量の総額(年間で約80兆円)を据え置き、量的・質的金融緩和の補完措置にとどめた場合、株高は一服し、ドルは120円近辺で伸び悩む可能性がある。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(26-27日)
昨年12月の会合では9年半ぶりの利上げが決定された。2016年は4回の利上げ実施が市場コンセンサスとなっており、1月の会合では利上げは見送られる公算。コンセンサス通りのペースだと次の利上げは3月となるが、中国経済の先行き不透明感や年初からの市場の混乱などで、年4回の利上げは困難との見方が増えている。1月会合ではFOMC声明の内容が注目される。3月に追加利上げを行う可能性は低いと市場が判断した場合、ドル売りが強まる可能性がある。

【日銀金融政策決定会合】(28-29日)
22日の日経平均株価は大幅に反発したが、株価の下落基調は変わってないとの見方が多いようだ。それゆえに、日銀による追加金融緩和への期待感が高まっている。具体的にはETFの買い入れ増額などが見込まれているようだ。大幅増額の場合は日本株高・ドル高の相場展開となる可能性はあるが、原油先物の上昇が一服した場合、株価反落の可能性は残されている。

予想レンジ:117円50銭-120円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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