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【特集】宇徳 Research Memo(7):16/3期は減収減益の見通し、コンテナ関連は下期も同じ基調を前提


■業績動向

(2) 2016年3月期予想

宇徳<9358>の2016年3月期の予想は、営業収入が485億円、前期比9.1%減、経常利益が28億円、同49.7%減、当期純利益が17億円、同50.5%減に修正された。期初予想と比べると、営業収入で1,500百万円(3.0%)、経常利益で1,500百万円(34.9%)の下方修正となった。港湾事業のコンテナ関連は、上期の基調が下期も続くことを前提としている。

○来期の見通し
来期は、劇的な業績の拡大を見込んでいないものの、今期にあったタイの石化プロジェクトにかかわるような一時的なマイナス要因がなくなる分、利益面での回復が見込めよう。

子会社のUTOC ENGINEERING PTE. LTD.は、マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)が進める世界規模の石油精製・石油化学統合開発計画「RAPID計画」(Refinery and Petrochemical Integrated Development)のエチレン製造設備関連の受注に成功した。受注に先立ち、マレーシアにUTOC PLANT CONSTRUCTION SDN. BHD.を設立していた。同子会社が担当するのは、分解炉6炉の据付工事及び配管据付・配管ラック設置工事になる。同計画は、マレーシア政府が2010年に策定した「経済変革プログラム」に基づき、ペトロナスがジョホール州南部に計画している石油ガス統合コンプレックスプロジェクトの中心となる。同社グループがこれまでシンガポールで培った多くの施工経験・知見を、マレーシアのプロジェクトに活かす。同案件は、2016年度の後半から2018年度にかけて営業収入に上がってくる予定だ。

2015年11月にリリースされたOECDの世界経済見通しによると、2016年の世界の実質GDP成長率は2015年の2.9%から3.3%へ高まる。実質貿易の伸び率は、2015年の2.0%から2016年に3.6%へ拡大傾向が続くと予測されている。ただし、新興市場経済の急速な減速や、低調な投資と生産性の伸びが先進国経済の回復の勢いを鈍らせている。マクロ経済政策による下支えと商品価格の低下が、2016から2017年にかけて、世界経済の成長を徐々に強めていくと予測している。日本は、実質賃金の上昇が消費支出を支え、実質経済成長率が2015年の0.6%から2016年に1%へ高まると予測されている。しかし、2017年は消費税増税もあり、成長率は0.5%へ鈍化する見通しとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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