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【経済】NYの視点:米11月JOLT、米雇用市場の健全さを再確認


米労働省が発表したJOLT(求人労働移動調査)求人件数の最新11月分は、予想以上に強かった12月雇用統計に続き、2016年の連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策が引き続き引き締め軌道上にあることを裏付ける結果となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月15?16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で9年半ぶりの利上げに踏み切った。インフレが依然低迷しているもののいずれ中期目標である2%に向けて上昇するとの自信が強まったこと、労働市場が完全雇用に一段と近づき利上げの条件が整ったとの判断を受けた決定。

FOMC声明では労働市場の一段の改善が指摘されたものの、まだ改善の余地があるとの見方が示された。ドルの今後の展開を予想する上で重要となるのが米国の利上げペースだが、ペースを決定する上で雇用の状況は依然として鍵を握る。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が労働市場の状況を判断することを目的として好んで使用しているJOLT(求人労働移動調査)求人件数の最新11月分は543.1万件と、10月の534.9万件から8.2万件増加し米国の雇用市場が引き続き順調に改善していることが再確認された。

11月解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.2%と、10月に続き危機前の水準を下回った。求人率(Job openings rate)も3.7%と10月3.6%から上昇。危機前の水準3%を上回っており、順調に伸びた。さらに、退職率(Quits rate)は2.0%と10月に続き危機前の水準である 2.1%にあと一歩というところまで近づいた。退職率は労働者の雇用市場に対する自信をあらわすとして、イエレンFRB議長が指数項目の中で最も注視している。また、12月労働参加率も62.6%と、危機前の水準を依然下回ったものの11月62.5%から上昇。長期の失業率も少しづつ改善基調にあるものの、引き続き4割超にとどまっている。


■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善      ←危機前の水準と比較
12月雇用者数(Nonfirm payrolls):29.2万人(11月25.2万人)←16.18万人(上回る)
12月失業率(Unemploynent rate):5.0%(11月5.0%)←5%(一致)
11月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(10月1.2%)←1.4%(下回る)
11月求人率(Job openings rate):3.7%(10月3.6%)←3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い      ←危機前の水準と比較
11月退職率(Quits rate):2.0%(10月2.0%)←2.1%(下回る)
12月広義の失業率(U-6):9.9 %(11月9.9%)←8.8%(上回る)
11月採用率(Hires rate):3.6%(10月3.6%)←3.8%(下回る)
12月長期失業率:41.9%(11月41.6%、15週以上、前年46.3)←19.1%(上回る)
12月労働参加率:62.6%(11月62.5%)←66.1%(下回る)

《NO》

 提供:フィスコ

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