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【市況】新興市場見通し:中小型株でも決算等を受けた個別物色中心の展開に


年末年始の新興市場は、受渡日ベースの昨年内最終取引日(12月25日)を通過したのち、需給改善期待を背景に強いリバウンドを見せた。特に新春相場に向けて今後の期待が大きいテーマ関連銘柄に物色が向かい、連日の大幅高となった。今年に入ると、中国・人民元安や中国株の急落、地政学リスクの高まりなどから日経平均が大発会から5日続落となるなか、新興市場でも相場の地合いに連れ売り優勢となった。ただ、循環物色の流れが継続し、マザーズ指数の下げは相対的に小さかった。なお、12月28日から1月8日までの騰落率は、日経平均が-5.7%であったのに対して、マザーズ指数は+5.6%、日経ジャスダック平均は+1.1%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が同期間で3.6%安、FFRI<3692>が同4.4%安となる一方、16年も注目銘柄に挙げる声の多いサイバーダイン<7779>が同5.8%高、そーせいグループ<4565>が同15.5%高となった。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同12.7%安、エン・ジャパン<4849>が同9.3%安となったが、セリア<2782>は12月既存店売上高が好感され同8.9%高と上昇した。テーマ関連では、今月からのマイナンバー運用開始を受けてITbook<3742>に改めて物色が向かった。また、フィンテック関連ではラクーン<3031>、インフォテリア<3853>、ロックオン<3690>など、ドローン関連では、ドーン<2303>、ビーマップ<4316>、イメージワン<2667>など、民泊関連ではプロパスト<3236>、インベスターズクラウド<1435>などが大きく上昇した。人工知能関連では、年末年始に掲載された一部メディアの特集記事をきっかけにALBERT<3906>が急動意を見せた。一方、マイネット<3928>など直近IPO銘柄には物色が向かいづらかった。

今週の新興市場は、決算等を受けた個別物色中心の展開となりそうだ。足元で15年9-11月期決算発表が続いているほか、1月下旬より10-12月期決算発表が本格化することから、次第に個別企業の業績動向に関心が向かうとみられる。ここまで強い上昇を見せていた中小型テーマ株については、足元で利益確定の動きが見られるものの、引き続き材料を手掛かりに買われる場面があるだろう。なお、外部環境への警戒感から不安定な相場が続くとみられ、新興市場でも地合いの急変には注意する必要がある。

今週は、1月12日にファーストコーポレーション<1430>、SHIFT<3697>、13日にケイブ<3760>、14日にプロパスト、ファーストブラザーズ<3454>、テラスカイ<3915>、Gunosy<6047>、メタップス<6172>、ロゼッタ<6182>などが決算発表を予定している。ファーストコーポレーションは、好業績への期待から前週末に先回り買いの動きが見られた。SHIFTについても業績期待が根強いようだ。また、フィンテック関連としても注目されたメタップスは今期黒字化の見通しとしており、14日発表の第1四半期決算が注目されそうだ。

IPO関連では、16年最初の新規上場はまだ発表されていない。上場候補企業については、自動運転関連ベンチャーとして注目されているZMPが上場を延期するとの観測が浮上した。一方、一部ではLINEの上場が早まるとの期待が高まったようだ。16年最大のIPOとなるであろうJR九州については、主幹事証券5社を選定したと発表している。

《FA》

 提供:フィスコ

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