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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下値を模索、118円割れでセンチメントは弱気に


今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値を探る展開となりそうだ。人民元安や株式の取引停止など中国市場の混乱が続いているためだ。投資家は、これまで下値支持線として機能してきたドル118円を割り込んだことで弱気になっており、積極的なドル買いは手控えられよう。

7日のアジア取引時間帯では、人民元の対ドル基準値が前日の水準よりも一段安く設定されたことをきっかけに再び中国経済の減速懸念が強まった。上海総合指数の大幅安で中国株式市場が取引停止となった影響で日本株の下げ幅は拡大。株安を嫌気したリスク回避の円買いが続き、ドル・円は昨年8月以来、4カ月半ぶりに118円を割り込んで一時117円67銭まで下落。

昨年2月以降、ドル・円は下落局面でも118円付近で下げ止まっていた。邦銀のある外為ディーラーは、下値支持線として意識されてきたこの水準を割り込んだことから「市場のセンチメントは崩れた」と話している。また、ある邦銀関係者は、市場の混乱が続いているため「8日の雇用統計発表前にドル買いには動きにくい」と述べており、ドル買い要因は乏しい。

今晩は、先週分新規失業保険申請件数(22時半)の発表やラッカー米リッチモンド連銀総裁(22時45分)、エバンズ米シカゴ連銀総裁(8日4時15分)の講演が予定されている。このうち、「タカ派」とみられるラッカー総裁の発言が年4回の利上げペースとの市場コンセンサスを後押しする内容なら、ドル・円の下支えの要因となる可能性はあろう。


【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・11月失業率(予想:10.7%、10月:10.7%)
・19:00 ユーロ圏・11月小売売上高(前月比予想:+0.2%、10月:-0.1%)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27.5万件、前回:28.7万件)
・22:45 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・04:15 エバンズ米シカゴ連銀総裁講演(経済情勢と金融政策)

《SY》

 提供:フィスコ

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