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【通貨】欧米為替見通し:“有事の円買い”基調か、人民元安や北朝鮮核実験などを嫌気


今日の欧米外為市場では、円買い圧力が強まりそうだ。欧米では主要経済指標の発表が相次ぐが、人民元の下落や北朝鮮による核実験の実施、中東情勢の緊張の高まりなどを受け、市場ではリスク回避の動きが続く見通し。ドル・円は昨年10月安値が下値メドとなろう。

今晩は欧米の主要な経済指標が複数発表される。英・12月サービス業PMI(18時半)、ユーロ圏・11月生産者物価指数(19時)、米・12月ADP全米雇用報告(22時15分)、米・11月貿易収支(22時半)、米・11月製造業受注(24時)などが注目される。また、昨年12月15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(7日4時)は、今後の利上げペースを見極めるうえで材料視される見通し。

こうした主要経済指標やFOMC議事録への注目度も高いが、他の外部環境からは円高圧力の強まりが意識されよう。市場では、人民元の対ドル基準値が約4年半ぶりの元安水準に設定されたことをきっかけに中国経済の減速懸念が強まっている。また、北朝鮮による核実験の実施で中東情勢の緊張とともに地政学リスクが高まっていることから“有事の円買い”に振れやすい。

さらに、前日発表されたユーロ圏の消費者物価指数(CPI)の予想下振れを嫌気したユーロ売りが続けば、ユーロ・円の一段安から主要通貨売り・円買いに波及する可能性があろう。これらの要因により、ドル・円は昨年10月15日に付けた直近安値118円07銭が下値メドとして意識されそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・12月サービス業PMI改定値(予想:53.9、速報値:53.9)
・18:00 ユーロ圏・12月総合PMI改定値(予想:54.0、速報値:54.0)
・18:30 英・12月サービス業PMI(予想:55.6、11月:55.9)
・19:00 ユーロ圏・11月生産者物価指数(前年比予想:-3.2%、10月:-3.1%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+7.3%)
・22:15 米・12月ADP全米雇用報告(予想:+19.5万人、11月:+21.7万人)
・22:30 米・11月貿易収支(予想:-440.0億米ドル、10月:-438.9億米ドル)
・22:30 カナダ・11月貿易収支(予想:-26億加ドル、10月:-27.6億加ドル)
・24:00 米・11月製造業受注(前月比予想:-0.2%、10月:+1.5%)
・24:00 米・12月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:56.0、11月:55.9)
・04:00 米FOMC議事録(12月15-16日会合分)

《SY》

 提供:フィスコ

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