【市況】今週の【早わかり株式市況】 振れ幅1300円のジェットコースター相場、日米の金融政策で波乱
日経平均の18日の1分足チャート 「株探」多機能チャートより
今週の株式市場は、前週末の欧米株安や円高進行に加え、原油価格が下げ止まらずリスク回避の売りも広がり、大幅に反落してスタート。日経平均は1万9000円大台を割り込み、11月2日以来ほぼ1ヵ月半ぶりの安値を付けた。翌15日も米利上げの決定が確実視されるFOMCの開催を控え様子見姿勢が強い中、原油安による米低格付け債ファンドの相次ぐ清算や米利上げ後の動向に対する不透明感から、先物などの売りが膨らみ大幅に続落。2日間の下げ幅は664円となった。
しかしながら、16日はヘッジファンドなど海外勢の買い戻しが入り日経平均は1万9000円を回復。17日は米利上げ決定による不透明感の後退や原油価格の反発で大幅続伸し、2日間で787円上げる乱高下の展開となった。
週末は前日にNYダウが反落したことを受けて軟調な展開で始まったものの、後場に入り日銀がETFの買い入れ枠を新設すると発表したことで、株式と為替ともに相場が急動意。日経平均の上げ幅は一時500円を超え、為替も発表直後に1円前後の円安・ドル高に振れた。ただ、その内容が需給的には中立との見方が広がり、相場は急反転し、日経平均の1日振れ幅が886円となるジェットコースター相場となった。結局、1万9000円を割り込み大幅反落した。
日経平均は、前週比243円(1.27%)安の1万8986円と3週続落し、週間ベースで8週ぶりに1万9000円を割り込んで取引を終えた。週間の振れ幅は1306円と前週の790円から拡大し、9月2週以来の大きさとなった。
来週は、海外勢が実質クリスマス休暇入りで波乱要因は減るものの、昨日のNYダウをはじめ欧米株式相場が大幅安となっており、不安定な相場展開は続きそうだ。重要イベントとしては、国内では25日の12月決算の権利付き最終日に、海外では23日発表される11月の米新築住宅販売件数に注視したい。
◆マーケット・トレンド(12月14日~12月18日)
【↓】 12月14日(月)―― リスク回避で347円安、1万9000円割り大幅反落
日経平均 18883.42( -347.06) 売買高20億3912万株 売買代金 2兆3882億円
【↓】 12月15日(火)―― 317円安と大幅続落、FOMC控え持ち高調整
日経平均 18565.90( -317.52) 売買高20億6806万株 売買代金 2兆2806億円
【↑】 12月16日(水)―― 1万9000円回復、484円高と3日ぶり大幅反発
日経平均 19049.91( +484.01) 売買高21億2914万株 売買代金 2兆5293億円
【↑】 12月17日(木)―― 一時1万9500円回復、米利上げ・円安好感で半値戻し達成
日経平均 19353.56( +303.65) 売買高22億4852万株 売買代金 2兆7809億円
【↓】 12月18日(金)―― 大幅反落し1万9000円割れ、日銀ETF枠を巡り乱高下
日経平均 18986.80( -366.76) 売買高29億8751万株 売買代金 3兆5971億円
◆セクター・トレンド(12月14日~12月18日)
(1)JX <5020> など石油、国際石開帝石 <1605> など鉱業といった資源株が売り継続
(2)三菱マ <5711> など非鉄、新日鉄住金 <5401> など鉄鋼といった素材株もさえない
(3)村田製 <6981> など電機、三菱重 <7011> など機械といった輸出株も売られた
(4)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は軟調続く
(5)武田 <4502> など医薬、JT <2914> など食品といったディフェンシブ株は堅調
(6)フィンテック関連と民泊関連は買い人気
株探ニュース