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【経済】「米国9年半ぶり利上げ」(2) 太田千尋氏に聞きました! <直撃Q&A>

太田千尋氏(SMBC日興証券 投資情報部部長)

 米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、9年半ぶりとなる利上げを決定した。この発表を受け、17日の東京市場では日経平均株価が400円を超す大幅高となっているほか、為替相場ではドル高・円安が進行している。この米国の利上げを市場関係者はどう評価しているのか。SMBC日興証券の投資情報部部長、太田千尋氏に聞いた。

●太田千尋氏(SMBC日興証券 投資情報部部長)

Q1 今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の印象は?

 予想通りの結果であり、FOMC後のイエレンFRB議長の記者会見も、今後の金融政策について市場の期待におもねるものではなかったが、市場の目線を攪乱するようなものでもなく、淡々として悪くない印象を受けた。事前の利上げに向けた地ならしが利いていると感じた。

Q2 16年の利上げ回数や利上げ時期は?

 年間で4回ないし3回とみている。1回0.25%で年1%もしくは0.75%となる。利上げ時期は早ければ3月だが、経済情勢を横目に流動的な部分もある。

Q3 FOMC後の株式市場や為替への影響をどう判断しますか?

 為替相場は(積み上がったドル買いポジションの調整などで)円高傾向を読む向きもあったが、個人的には素直に円安傾向に流れるとみている。1ドル=125円くらいの円安局面はあるのではないか。また、株式市場への影響については日米で若干コントラストが生じる。米国株はとりあえず利上げ決定を好感するかたちで上昇したが、先行き経済実態面へのマイナスの影響も意識される場面はあるのではないか。日本株にとっては、円安基調を追い風にプラス要素は大きいとみている。

(聞き手 中村潤一)

<プロフィール>
(おおた・ちひろ)1985年日興証券入社。投資情報部、金融法人営業部、日興ソロモン・スミス・バーニー証券(現シティグループ証券)出向(リサーチ部門)、エクイティマーケティング部、株式アドバイスセンター、機関投資家営業部を経て、2013年10月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。

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