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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ハローズ、オカモト、スタンレー、カネカ

■ハローズ <2742>  6,110円  +820 円 (+15.5%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 ハローズ<2742>が異彩人気で株価上昇を加速、上場来高値圏を舞う展開。前週末の685円高に続き、きょうは1000円高の一時6290円ストップ高まで買われ、2日間合計の上昇幅は1700円近くに達した。24時間営業を強みに業績成長路線をまい進する食品スーパーで、広島や岡山を地盤としており地方創生関連としての切り口でも注目されている。10月16日付でジャスダックから東証1部に市場変更されたが、株価は発表直前の10月9日の終値との比較で、きょうの高値まで2.4倍強に変貌した。前週末大引けにTOPIX組み入れに伴うリバランスの買い需要が観測されていた。市場では初動時から「株価水準にとらわれず躊躇なく買い進むのは、組み入れを目的とした小型株ファンドなどの実需買いを反映したものではないか」(国内準大手証券)との指摘があったが、その思惑を地で行く展開となっている。

■信越ポリマー <7970>  671円  +48 円 (+7.7%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 信越ポリマー<7970>が大幅高。東海東京調査センターが27日付で同社のレーティングを「アウトパフォーム」で目標株価を930円に設定したことがポジティブに作用した。自動車の電装化進展に伴い同社が手掛ける車載用入力デバイスが成長を牽引しており、16年3月期の連結営業利益を前期比79.3%増の40億円(会社側予想34億円)、17年3月期は同52億円を予想している。同社株は前週は小刻みに下値を探る展開をみせていたが、きょうは一転して物色人気が集中、8月17日につけた年初来高値688円を視界に入れる展開にある。

■リョーサン <8140>  3,250円  +195 円 (+6.4%)  本日終値  東証1部 上昇率10位
 27日、リョーサン <8140> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.19%にあたる132万株(金額で46億2000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は11月30日から16年3月31日まで。

■オカモト <5122>  1,103円  +65 円 (+6.3%)  本日終値
 オカモト<5122>が反発。中国の一人っ子政策廃止を受けて10月末以降大きく下値を模索する動きとなったが、思惑先行の売りが一巡し目先は出直りトレンドにある。現在の中国では一人っ子政策が転換されても、子どもの教育費の高さなどがネックとなりすぐに出生率が上がるような社会環境にはないとの見方が強い。一方で、インバウンド需要には陰りがみられない。10月の訪日外客数は前年同月比43.8%増の182万9300人と今年7月に次ぐ高水準だったが、11月も高水準の伸びが予想されており、政府が掲げる2020年の訪日外客数2000万人目標は前倒し達成が濃厚となっている。同社商品は訪日客の「爆買い」対象であり、今後も中期的な追い風が意識されている。

■スタンレー電気 <6923>  2,725円  +125 円 (+4.8%)  本日終値
 スタンレー電気<6923>が急反発。10月29日に16年3月期の連結業績予想の下方修正を嫌気するかたちで急落した経緯があり、同社株にとってこの2700円台は急落前の因縁場ともいえる水準だ。ここ米投資ファンドなどの買い増し姿勢なども確認されるなか戻り足を加速させ、その時に開けた大きなマドを埋め切った。中国向け売上依存度が高いが、中国景気に対する先行き懸念がひと頃と比べ後退していることや、政府がエネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯について、製造および輸入について2020年度をめどに実質的に禁止する方針が伝えられるなか、LED照明関連としてのテーマ性でも物色人気を集めている。

■ニチイ学館 <9792>  837円  +38 円 (+4.8%)  本日終値
 ニチイ学館<9792>が大幅反発。中国の高齢化進展でこれをビジネスチャンスととらえる動きが日本企業に顕在化している。30日付の日本経済新聞が「介護最大手のニチイ学館は中国企業を十数社買収し、2016年度にも訪問介護サービスを中国全土に展開する」と報じており、これが株価を強く刺激する格好となった。同社は訪問介護で通所・施設介護でも高実績を有し、日本で培った同分野のノウハウを“巨大市場”である中国で生かす構えにあり、これまでの内需株としての位置付けが大きく変わる可能性がある。

■ゼンリン <9474>  2,250円  +96 円 (+4.5%)  本日終値
 ゼンリン<9474>が4日ぶりに反発。この日朝方、サイボウズ<4776>のWebデータベース型業務アプリ構築サービス「kintone(キントーン)」と連携した地図配信APIの提供を、きょうから開始すると発表しており、これを好感した買いが入っている。同サービスは、「kintone」と導入している企業約3000社を対象としたもので、新たなシステムの開発をすることなく、主にパソコンのマウス操作だけで簡単に地図機能を利用することができるようになるというもの。これまで社内業務で地図の導入が少なかった中小企業などへの導入を図るとしている。

■カネカ <4118>  1,214円  +39 円 (+3.3%)  本日終値
 カネカ<4118>が年初来高値を更新。SMBC日興証券はカネカの投資評価を「2」から「1」へ引き上げ、目標株価を1060円→1400円に引き上げた。リポートでは「現状株価比で19%程度の上昇余地を有する」としているほか、頭髪用合成繊維「カネカロン」が、アフリカ市場での成長ポテンシャル大と紹介されている。同証券ではまた、原料安、円安を享受しているほか、合成繊維、ライフサイエンス、機能性樹脂を中心に数量効果が力強く全体業績を牽引し、18年3月期には営業最高益更新を予想するとも解説している。

■大研医器 <7775>  1,048円  +31 円 (+3.1%)  本日終値
 27日、大研医器 <7775> が、同社が進める「マイクロポンプを用いたディスポーザブル(使い捨て)型医療機器の開発」が関西圏国家戦略特区における事業として認定されたと発表したことが買い材料。超小型で精密なポンプの一種である「マイクロポンプ」を活用し、従来製品よりも高機能で小型化・低コスト化された医療機器の開発を目指す。今回の認定により、同社は課税の特例措置として、法人税法上の優遇措置を受けることになる。発表を受けて、「マイクロポンプ」を使った高付加価値な医療機器の開発による今後の業績への寄与に期待する買いが向かった。

■東芝 <6502>  300.9円  +8.6 円 (+2.9%)  本日終値
 東芝<6502>が3日続伸。ウェスティングハウスの減損に関する開示問題がネガティブだったものの、株価が下げ止まったことで買い戻しが優勢となって出来高も増加している。SMBC日興証券では東芝の目標株価を300円から240円に引き下げ、レーティングは「2」を継続とのリポートがリリースされている。同証券のアナリストは「目標株価PBR1倍の240円に引き下げも、一層の状況悪化は想定せず」と説明しており、これが株価下落の不安を払しょくさせる内容としてポジティブとみられているようだ。ただ、多くの証券会社から既にレーティングの格下げや、目標株価の引き下げが行われており、実態を解明できるまではアナリストも正確な投資判断を下すには苦労しているような印象がある。

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