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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~補正上積みへの思惑から改めて2万円を意識したスタンスに


27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・補正上積みへの思惑から改めて2万円を意識したスタンスに
・ドル・円は122円61銭付近、手がかり不足で動きにくい
・資源価格の上昇を背景に鉱業、非鉄金属セクターなど上昇


■補正上積みへの思惑から改めて2万円を意識したスタンスに

日経平均は下落。49.53円安の19894.88円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えた。26日の米国市場は感謝祭の祝日で休場だったが、欧州市場の落ち着きなどもあって、シカゴ日経225先物は時間外で2万円を回復。海外勢のフローが減少しており、参加者が限られる中ではあるが、シカゴ先物にさや寄せする格好から始まった。ただし、寄り付きは19994.05円と戻り高値を更新するも僅かに2万円には届かず、その後は次第に利益確定の流れとなった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは海運、鉱業、非鉄、鉄鋼、倉庫運輸が上昇する半面、空運、電力ガス、その他製品、パルプ紙、ガラス土石が冴えない。指数インパクトの大きいところではファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクグ<9984>が上昇。一方で、ファナック<6954>が重石となっている。

日経平均は節目の2万円に届かず、薄商いの中を先物主導のインデックスに絡んだ売りから下げに転じている。もっとも、2万円が目先的なターゲットとして意識されていることもあり、この水準での上値の重さを嫌気した流れではないだろう。反対に下値の堅さが意識されており、押し目買い意欲の強さが意識される。

なお、政府は首相官邸で行政改革推進会議を開き、安倍首相は予算編成の反映を指示した。一億総活躍社会に向けた対策や、環太平洋経済連携協定(TPP)への思惑等もあり、補正予算の上積みへの期待感から、日経平均は改めて2万円を意識したスタンスになりそうである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は122円61銭付近、手がかり不足で動きにくい

ドル・円は122円61銭付近で推移。手がかり不足で動きにくく、値動きは小幅にとどまった。

日経平均株価が寄り付き後はプラス圏で推移していたことから、リスク選好的なドル買いがみられ、ドル・円は一時122円73銭まで上昇した。その後日経平均がマイナス圏に転落したが、ドルには押し目買いが入り、下値が堅い値動きとなった。東京市場では手がかりが不足しているため、積極的な売り買いには動きにくく、狭いレンジ内の取引となった。

ランチタイムの日経平均先物は下げ幅を縮小しており、午後の取引で日経平均が20000円に到達する可能性は残されている。このため、株高を意識したリスク選好的な円売りが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。

12時26分時点のドル・円は122円61銭、ユーロ・円は130円09銭、ポンド・円は185円06銭、豪ドル・円は88円56銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・日経平均値上がり寄与上位はFリテ<9983>、東エレク、値下がり寄与上位はファナック<6954>、日産化<4021>
・資源価格の上昇を背景に鉱業、非鉄金属セクターなど上昇
・郵政グループはかんぽ生命保険<7181>のみ上昇


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・16:00 英・11月全国住宅価格(前月比予想:+0.5%、10月:+0.6%)

《SY》

 提供:フィスコ

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