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【材料】サイバダインが年初来高値を更新、装着型ロボットHALの稼働数拡大を期待

 CYBERDYNE<7779>が3日続伸、前場には4月14日に付けた年初来高値1707円を更新。寄付き直後には小安い場面があったものの、その後上げ幅を拡大した後、高値圏での推移となっており、後場も高値圏での始動となっている。13日発表の上期経常損益拡大も装着型ロボットHALは稼働数が拡大しており、国内外での先行き一段の稼働拡大を期待した買いが続いているようだ。

 同社が前週末に発表した、2016年3月期上期連結決算は、装着型ロボットHALの研究開発費は前年同期比1.5%減となったものの、新製品開発及び臨床研究継続により3億1507万円を計上、そして、販売管理費は資本金増に伴う課税増から24.9%増の5億4786万円と拡大した。ただ、営業損失は29.8%減の5億3070円と大幅に改善。ただ、助成金収入の減少により営業外収益は2億2301万円を計上。支払利息、及び固定資産圧縮損の増加により営業外費用8012万円を計上したことから経常損失は5.1%増の3億8782億円と拡大した。
 上期には、医療用分野ではHAL下肢タイプで国内外での臨床研究を推進、ドイツでは、治療サービス事業を展開、HALを利用した治療に公的労災保険は適用済みとなっているが、新たに公的医療保険への適用を目指す。米国ではFIFA(米国食品医薬品局)に対して医療機器の申請中で今年度内の承認取得を目指している。

 国内では、今年3月に神経・筋難病疾患に対する新医療機器として薬事承認申請をしており、今年末の承認が見込まれている。HAL医療用(下肢タイプ)の9月末で国内外で121台が稼働中。また、HAL介護福祉用等の下肢タイプは国内では9月末に97台が稼働中であり3月に製品化したHAL介護支援用腰タイプは介護施設向けが大きく進展し223大が稼働中。

 そして、作業支援分野では、今年7月に海外2社と業務提携並びに資本提携をおこないHAL向けの革新的な新たな展開を目指し、川崎市にサイバニクス国際イノベーション創出拠点の建設を進めており、世界トップクラスのデータセンターを共同運用しビッグデータを解析し各種サービスを提供する構想の実現を目指して準備を進めている。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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