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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】

株式アドバイザー 北浜流一郎

●「ドル高・円安」の行方を疑念

 日経平均には連騰し続けてほしい。これが率直な気持ちだが、実際に6日も7日も上がると心配になる。この調子で上がり続けると反落が恐い。こう思ってしまうからだが、11月2週が丁度そんな懸念と直面させられることになった。11月4日から12日まで実に7連騰したからだ。

 ところが、7日も上げてしまうと、その後が恐い。下げが大幅になってしまう恐れがあるかで、実際、13日は久しぶりに大幅安となった。

 切っかけとなったのは、欧州株式市場安と原油先物価格安だ。特に原油先物価格は1バレル41ドル台と約2ヵ月半ぶりの安値まで下げてしまった。

 通常、東京市場は原油安をほとんど懸念しないが、困るのは為替市場でドル安・円高となってしまうこと。実際、円は11月9日には123.59円まで下げたものの、この原稿を書いている時点では122.73円前後だ。改めて書くまでもなく、ドル高・円安が東京市場上昇の不可欠要因。いまはこの点に疑念が生じている最中だ。

 特にIMFが米国の年内利上げ方針に対して釘を刺し始めている。トルコで15-16日に開催する20ヵ国・地域(G20)首脳会議に向けたIMFの報告書を見ると、それが分かる。同報告書でIMFは、米国の年内利上げ方針に対して「米連邦準備理事会(FRB)は労働市場の一段の改善とインフレ率上昇を示す確固とした兆候を見極めた後、利上げを実施すべきである」としている。これは実質的に年内利上げはしない方がよいと言っているようなものになる。

●年内利上げの可能性は高い

 イエレンFRB議長がこれをどう受け止めるかは正直判断が難しい。そのため、いまのところドルは軟調、円が強含んでいるのだが、私はやはり年内利上げ実施の可能性が高いと見る。米国の雇用状況は改善が著しいからだ。ただ、インフレ率は高まっていない。しかし、大事なのは労働環境だ。

 これが好転していることを考えると、FRBとしては予定通り金利を年内に引き上げる。実際、引き上げても経済に大きくマイナスに働くことはまず考えられない。0.25%の引き上げにとどめるだろうからだ。そして、次の引き上げには1~2年とかなりの時間をかける。こう見てよいからだ。

 この前提に立つと、目先の東京市場の反落は一時的となるため、ここは引き続き押し目狙いの実行が有効になる。

 具体的な銘柄としては牧野フ <6135> 、カネカ <4118> 、ライオン <4912> 、資生堂 <4911> 、そして押し目はつけていないが、底値から緩やかに浮上中のヤクルト <2267> などが魅力的だ。

 新興市場銘柄ではこれから冬に向うことから日本スキー <6040> [東証M]になる。

2015年11月13日 記

●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

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