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【特集】<話題の焦点>=道路株が再浮上へ、大林道の増額が契機

 道路株に再評価機運が強まっている。

 道路株はアベノミクスで株価が急騰した建設株と同様に、公共投資拡大による恩恵を享受するセクターだが、建設株に比べ出遅れ感があるうえに、低PBR銘柄が少なくないなど、バリュエーション的にも見直し余地は大きい。

 特に、先月30日には大林道路<1896>が16年3月通期の業績予想の増額修正を発表した。今3月期の連結純利益は従来予想の31億円から58億円(前期比9%増)へ最高益に見直された。工事が順調に進捗したことにより、完成工事高が増加し、業績水準を押し上げた。

 同社は14年3月期と15年3月期の期中にも業績増額修正を発表している。特にこの過去2期は複数の業績の増額修正を実施し、増配も行った。

 前15年3月期の中間決算時にはNIPPO<1881>などの道路大手も増額修正を発表しており、近年は期中の道路会社の増額修正は恒例となりつつある。今期も大林道路の増額修正を契機に、道路各社の業績見直しが期待される。

 道路会社は2020年の東京五輪を視野に首都圏環状道路の整備が見込めるなど、道路整備にかかわる公共投資の伸びが期待される。このため、道路株は今後の着実な業績の伸びが見込める数少ないセクターとなっている。

 主だった道路株の連結PBRは日本道路<1884>が0.8倍台、東亜道路工業<1882>が同0.7倍台、大林道も同1.0倍台の水準にあり割安感がある。

◆主な道路株の株価と連結PBR

 銘柄<コード>      株価     PBR

三住道路<1776>     243   0.64
NIPPO<1881>   2145   1.03
東亜道路<1882>     473   0.74
前田道路<1883>    2193   1.15
日本道路<1884>     658   0.8
大林道路<1896>     822   1.07
世紀東急<1898>     602   1.42

※株価は13日終値(単位:円、倍)


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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