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【特集】清水洋介【日本株2】秋の相場観特集_05 /米利上げや新興国懸念は織り込み済み、2万円視野も

清水洋介氏
Argo Navis・フィナンシャルコンシェルジュ 清水洋介氏

 10月の株式市場は例年「ヘッジファンドの売り」などで調整、特に急落となることが多いが、今年はすでに8月、9月と大荒れの相場となっており、既に米国の利上げや新興国景気への懸念などは織り込まれている部分も多い。

 逆に米国の利上げの後ずれ、日銀の追加緩和期待などから底堅い展開が期待される。個別企業の決算動向にも敏感な反応となり、「予想を下回った」あるいは「通期業績の上昇修正がなかった」などの要因で売られる場面もありそうだ。ただ、指数の上値は重いものの底堅い展開となりそうだ。

 11月は日本郵政グループの上場で盛り上がったあとは、中間決算が出揃い下期への不安が募り、調整感が出てくる場面も予想される。新興国景気への懸念などもあり個々の企業の慎重な下期見通しなどを嫌気し買い上がれない相場が続き、指数もいったん下押すことも予想される。ただ、その後は政策期待や米国の利上げのさらなる後ずれ、米国景気の好調さなどが再度注目され、米国のクリスマス商戦の動向などを手掛かりに買い直されて堅調な展開となりそうだ。

 12月からは日銀の追加緩和期待が取り沙汰され、例年のように「クリスマスラリー」を期待して買い直され、主力銘柄を中心に全体に水準訂正の動きとなってくるだろう。2016年をにらんで、新興国景気への不安が薄れ、買い戻しを急ぐ動きなどもあって、指数は大きく上昇する場面もありそうだ。

 ここからは再度、エイチ・アイ・エス<9603>や日本ビューホテル<6097>など「訪日外国人関連銘柄」やキユーピー<2809>、カゴメ<2811>といった食品株を物色する展開が予想される。また、商品相場の落ち着きから三菱商事<8058>など商社株が見直されそうだ。一方、新興国、特に中国の景気鈍化などが懸念され村田製作所<6981>など電子部品株が売られる場面もあり得るが、下げても限定的で下値では買い直されそうだ。

 日経平均の想定レンジは下値を1万7500円、上値は2万円と想定する。

<プロフィール>

大手証券会社に入社後、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」として、テレビのレギュラー出演や・雑誌の連載等で活躍し、現役ディーラーとして日々相場と対峙している。 10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。 2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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