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【特集】【中国の視点】GDP正確性に疑問の声続出、発電量などほぼゼロ成長


国家統計局が発表した4-6月期の国内総生産(GDP)成長率(前年同期比で7%)について、国内の専門家の間で疑問視する声が相次いでいる。

今年9月の政府版製造業購買担当者指数(PMI)は前月の49.7から49.8までやや回復したものの、引き続き好不況の分かれ目となる50を下回った。また、製造業や不動産の販売低迷が継続しているほか、GDPのバロメーターといわれている発電量の増加率は6月に0.5%にとどまった。

国内消費について、国慶節連休となる10月1-4日の主要125観光地の入場券収入は前年同期比で3.1%の増加にとどまったと報告された。発電量などの統計データから推測すると、7%の成長率が実体経済を正確に反映していないと指摘する声が多い。また、7-9月期の成長率について、6.6%まで鈍化するとみる専門家もいる。

ただ、海外旅行や映画興行収入、ネット販売が予想以上に急増している。国慶節連休期間の国内線(客席稼働率)増加ペースは4.9%にとどまったが、国外線は31.6%の増加となった。また、興行収入も前年同期比で81.4%増加。ほかに、ネット販売も年初から40%近くの成長を維持している。

専門家は、収入の増加に伴う国民の消費パターンに大きな変化を生じていると指摘。また、交通インフラや環境関連産業への投資増加に伴い、短期的には成長ペースが鈍化するものの、長期的には安定成長を維持できるとポジティブな見方を示した。とはいえ、これまでの製造業や輸出などの拡張で成長をけん引するという従来の成長モデルはもはや中国に通用しなくなっていると指摘された。中国経済がハードランディング(硬着陸)する可能性が低いものの、7%の成長率を維持することが困難になっていると分析されている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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