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【市況】新興市場見通し:緩やかなリバウンドへ、郵政3社のブックビルディング開始


先週の新興市場は、シルバーウィークを挟んだ2週間で下げの目立ったマザーズ銘柄を中心に、相対的に堅調に推移した。日経平均が700円を超える下げとなった9月29日には新興市場も連れ安となったものの、その後は買戻しが優勢となった。また、米雇用統計の発表を控え、週後半には値動きの軽いマザーズ銘柄へ個人投資家の物色が向かった。シルバーウィーク明けには連日で500億円を割り込んだマザーズ売買代金もやや持ち直した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.9%であったのに対して、マザーズ指数は+2.7%、日経ジャスダック平均は-0.6%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で9.3%高、FFRI<3692>が同9.7%高と堅調だった。バイオ株はそーせいグループ<4565>が同2.7%高となる一方、タカラバイオ<4974>が同0.9%安、ペプチドリーム<4587>が同3.5%安と高安まちまち。ニュースリリースなどを受けた個別物色は活発で、ファーマフーズ<2929>が同37.5%高、ジグソー<3914>が同36.5%高、PCI HD<3918>が同21.6%高と急伸した。その他、ファンデリー<3137>、ベステラ<1433>などの上昇も目立った。ジャスダックでは、クルーズ<2138>が同2.2%安、日本マイクロニクス<6871>が同4.7%安となったが、セプテーニ・HD<4293>が同6.7%高、ノジマ<7419>が同10.9%高と、主力銘柄は高安まちまち。日本銀行による追加金融緩和への期待が高まり、いちごグループHD<2337>は同10.5%高と強い値動きとなった。また、明豊エンタープライズ<8927>なども追加緩和メリット銘柄として関心が向かったようだ。個別材料株では、SOL Holdings<6636>、アイサンテクノロジー<4667>などが買われた。また、テーマ株では、郵政・デジタルポスト関連としてソフトフロント<2321>を買い直す動きが見られた。

今週の新興市場は、緩やかなリバウンド基調となることが想定される。週後半には大型連休明けとなる中国市場の動向に注意が必要となるものの、日銀の追加金融緩和への期待などから日経平均がしっかりとした推移となるなか、マザーズ指数も上向きに転じた25日線に沿った上昇が続きそうだ。

今週は、7日にエヌ・ピー・シー<6255>、8日にメディアドゥ<3678>、SHIFT<3697>、デザインワン・ジャパン<6048>、9日にファーストコーポレーション<1430>、コシダカHD<2157>、ファーストブラザーズ<3454>、シリコンスタジオ<3907>、ローツェ<6323>などが決算発表を予定している。また、注目イベントでは、ノーベル賞発表や6日開幕の「シーテックジャパン」があり、関連銘柄に物色が向かいそうだ。6-7日に日銀金融政策決定会合が開かれるほか、7日には内閣改造が行われる予定で、改めて経済政策への期待が高まる可能性もある。

IPO関連では、先週、AppBank<6177>のブックビルディングが行われた。知名度の高さやバリュエーション面の割安感がポジティブ視される一方、一部報道を受けて慎重な声も聞かれた。また、グリーンペプタイド<4594>の仮条件が決定しているが、目論見書の想定発行価格を下回る水準で苦戦が想定される。なお、今週7日には日本郵政グループ3社(日本郵政<6178>、かんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>)の仮条件が決まり、翌8日からブックビルディングが開始される。

《FA》

 提供:フィスコ

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