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【市況】米国株式市場見通し:FOMC議事録に注目/米国株式相場


9月雇用統計が予想を大きく下振れたことで、年内利上げに慎重な見方が広がりそうだ。FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は10月が10%、12月が33%、16年1月が41%、同3月が56%(2日時点)で、利上げは16年3月と予想する向きが優勢となっている。8日には9月16・17日開催分のFOMC議事録が公開されるが、前回のFOMCではFRB当局者の中でも16年以降の利上げを支持する人数が増加していることが示されており、何らかの示唆を得ることができるかが注目点となるだろう。

8日に予定されているアルミニウム大手のアルコアから7-9月期決算発表シーズンに入る。決算期は異なるものの、ファストフードのヤム・ブランズ(6日)、種子メーカーのモンサント(7日)などの決算発表も予定されている。決算発表シーズンに入ることで主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まるため、最近の株式相場下落を受けて、株価収益率(PER)などで割安感のある銘柄の株価水準が見直されるだろう。 決算以外では、ソフトウェアのマイクロソフトが6日に予定している新製品発表イベントが注目されており、新型のスマートフォンやタブレット端末の発表が予想される。

経済指標では、9月ISM非製造業景況指数(5日)、8月貿易収支(6日)、9月輸入物価指数(9日)、8月卸売在庫(9日)などの発表が予定されている。9月輸入物価指数は8月に予想を下振れ7ヶ月ぶりの低水準となったことで、慎重な見方が広がっている。同指数はインフレ率に影響を与えるため、利上げ判断において重要な指標となるが、依然として原油安が続いており、低調となる可能性が高い。

8日からはG20 財務相・中銀総裁会議がペルーの首都リマで開催される予定となっており、中国経済の減速など世界経済の先行きが不透明な中、各国の対応方針に注目が集まりそうだ。また、前回開催時には国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が利上げ決定に関して連邦準備理事会(FRB)に慎重な姿勢を求めたこともあり、米国の金融政策に議論が及ぶ可能性もある。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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