市場ニュース

戻る
 

【材料】フジオーゼックス---グローバル体制を構築、メキシコ進出で北米追撃態勢整う


フジオーゼックス<7299>はエンジンの中核部品であるエンジンバルブを主力とし、チタン合金バルブや中空バルブエンジンなど先端製品を手掛ける。国内最大の特殊鋼メーカーである大同特殊鋼との共同による製品開発での優位性を維持し、バルブ、コッタについては国内トップメーカー。

材料から完成品までの一貫生産を進め、ほとんどの機械設備を社内で設計することで、すべてのプロセスにおいて最適な生産性の手法や手順を徹底して追求。難削材の鍛造技術、精密研削技術といった独自の技術を駆使したラインを構築している。

足元の業績では、2016年3月期第1四半期(15年4-6月)決算は、売上高が前年同期比1.4%増の41.00億円、営業利益が同10.2%増の3.24億円、経常利益が同14.8%増の4.06億円、四半期純利益が同14.7%増の2.66億円だった。なお、これまで「自動車部品製造」、「流通」の2事業を事業セグメントとしていたが、グループの事業展開、経営資源の配分、経営管理体制の実態等の観点から、「自動車部品製造」の単一セグメントに変更している。
最近の動きとしては、6月末にTRWグループとの業務提携の解消を発表した。同社は1960年からTRWグループと業務提携を続けてきたが、世界市場で更に成長する為、自力・独力でグローバル体制を構築していくことが最善であると判断。エンジンバルブの製造技術等に関するライセンス契約等を解消。保有する合弁会社TRW Fuji ValveInc.、TRW Fuji Serina Co., Ltd.の株式譲渡を行っている。これにより、特別利益を計上しているほか、今後は日本車中心だったTRWとの解消による販路拡大が見込まれる。

その他、7月には、自動車メーカーの需要拡大に応じエンジンバルブの製造・販売する新会社をメキシコ合衆国グアナファト州に設立。メキシコの労働コストは中国やブラジルよりも安く、安定していることから、自動車メーカーの進出ラッシュとなっている。メキシコは米国とカナダとは北米自由貿易協定(NAFTA)、日本を含め世界45カ国とは自由貿易連携協定(FTA)を結んでいる。メキシコで生産し、北米にフリーパスで輸出するというメリットもあり、北米追撃態勢は整った。さらに中国市場では販売台数が伸び率鈍化の中でも、シェアが拡大している。

《SF》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均