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【市況】新興市場見通し:個別物色が中心、本格的なリバウンドにはなお時間要する


 

先週の新興市場はまちまち。日経平均は週初に売りが先行したのち、日本銀行によるサプライズ金融緩和への期待や米利上げ観測の後退に伴う米株高により堅調に推移する場面があったが、マザーズ売買代金は15日に今年最低を記録するなど依然低調で、積極的な買いは限定的だった。週末は米利上げの見送りを受けて日経平均が大幅下落するなか、マザーズ主力株にはシルバーウィークの連休を控えた買い戻しが入り、マザーズ指数は逆行高となった。一方、日経ジャスダック平均は材料株の循環物色で比較的しっかりとした推移になった。週間の騰落率は、日経平均が-1.1%であったのに対して、マザーズ指数は-0.9%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で1.2%高、サイバーダイン<7779>が同1.5%高、FFRI<3692>が同0.3%高とプラスを確保した一方、ペプチドリーム<4587>が同1.9%安、タカラバイオ<4974>が同4.4%安と前週指数をけん引したバイオ株は軟調だった。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同5.0%安となった。注目ゲームタイトルの事前登録開始で材料出尽くし感が意識されたようだ。ジャスダックでは材料株に物色が向かい、ショーエイコーポレーション<9385>、情報技術開発<9638>、ネクストウェア<4814>、デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>などが大きく上昇した。マザーズではメディア工房<3815>、イトクロ<6049>、ビリングシステム<3623>などが買われた。IPOでは、14日にピクスタ<3416>、15日にアイビーシー<3920>、17日にブランジスタ<6176>がいずれもマザーズへ新規上場した。このうちアイビーシーは事業内容のテーマ性から公開価格の約3.5倍となる高初値を付けた。ピクスタやブランジスタも堅調な初値形成となった。ただ、セカンダリーではいずれも利益確定売りが広がり軟調に推移している。

連休明けとなる24日及び25日の新興市場は、全体としては現行水準でのもみ合いとなることが想定される。FOMCの結果を受けて米金融政策の不透明感が強まったとの見方が広がっており、18日の米国株式相場も大きく下落した。マザーズ指数は下降する25日線が上値抵抗として意識される可能性があり、本格的なリバウンドに転じるにはなお時間を要するとみられるが、材料株を中心とした短期物色の動きは継続するだろう。

米連邦準備理事会(FRB)がハト派的な姿勢を強めたことで、日銀による追加金融緩和への期待が高まるとみられ、いちごグループHD<2337>やムゲンエステート<3299>といった不動産関連株を緩和メリット銘柄としてマークしておきたい。また、今国会最大の焦点とされていた安全保障関連法案が通過したことで、政府による経済対策が改めて期待される局面となることも想定される。

IPO関連では、AppBank<6177>の仮条件が25日に決定する。なお、先週はグリーンペプタイド <4594>(10/22、マザーズ)、GMOメディア<6180>(10/23、マザーズ)、パートナーエージェント<6181>(10/27、マザーズ)の新規上場が発表された。10月のIPOは計4件となっている。また、今年中との観測が伝わっていたユー・エス・ジェイの再上場は、米社による出資交渉で来年以降に延期される公算と一部メディアで報じられている。

《TM》

 提供:フィスコ

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