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【市況】新興市場見通し:値動きの荒い展開続く、10日にも郵政グループの上場承認か


先週の新興市場は、日経平均が週間で1300円を超える大きな下げとなるなか、相場の地合いに連れ個人投資家の手控えムードが強まり、軟調に推移した。週初は前週からのリバウンド相場が続き、中小型株への資金シフトも見られたが、9月1日に日経平均が再び急落したことを受けてリスク回避の動きが強まった。週末にかけては米雇用統計の発表を控え、手仕舞い売りに押される展開となった。結局、週間の騰落率は、日経平均が-7.0%であったのに対して、マザーズ指数は-9.8%、日経ジャスダック平均は-4.5%だった。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で13.6%安、FFRI<3692>が同20.1%安と下落率は2ケタに達し、指数を押し下げた。そーせいグループ<4565>は公募増資の実施を発表し、同24.1%安と急落した。ジャスダック主力も、ガンホー<3765>が同6.6%安、日本マイクロニクス<6871>が同3.9%安、クルーズ<2138>が同7.0%安と全般軟調だった。直近IPO銘柄の一角や足元で上昇の目立っていた銘柄に売りが広がり、PCI HD<3918>が同31.1%安となったほか、エイティング<3785>、デジタル・インフォメーション・テクノロジー<3916>、Gunosy<6047>などの下げが目立った。一方で、個別材料株に短期物色が集中し、マザーズではオプティム<3694>、ディー・ディー・エス<3782>、ジャスダックではネプロジャパン<9421>、santec<6777>などが大きく上昇した。IPOでは、8月31日にアクアライン<6173>、9月2日にベステラ<1433>、STUDIOUS<3415>がいずれもマザーズへ新規上場した。3社とも公開規模は小型から中型程度だったが、相場全体が軟調となっていることが影響し、公開価格を2割前後上回る初値にとどまった。ただ、セカンダリーでは需給面の重しのない直近IPO銘柄として物色が向かい、ベステラは上場後3日連続でストップ高となった。

今週の新興市場は、引き続き値動きの荒い展開となることが想定される。個人投資家の様子見姿勢が強まるなか、マザーズ指数は8月25日に付けた年初来安値(672.85pt)更新も視野に入る。ただ、今後予想される米早期利上げによるアク抜けなどを想定し、下値での押し目拾いも意識しておきたい。

目先は個別材料株への短期物色中心の展開となることが見込まれ、業績動向や新製品のリリース、提携等の発表に注目していきたい。今週は9月7日にアスカネット<2438>、ビューティーガレージ<3180>、9日に菊池製作所<3444>、シーシーエス<6669>、10日にテンポスバスターズ<2751>、11日にモルフォ<3653>、フリービット<3843>、アイリッジ<3917>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、日本テレホン<9425>などが決算発表を予定している。注目イベントとしては、米国時間9月9日に予定されているアップルの新製品発表などが挙げられる。

IPO関連では、9月8日にJESCO HD<1434>が東証2部へ新規上場する。足元では積極的な初値買いを手控えるムードが強く、公開価格を意識した初値形成が見込まれる。また、ブランジスタ<6176>のブックビルディングが8日まで行われる。なお、一部報道によれば、10日にも日本郵政グループ3社の上場が承認されるもよう。上場日は11月4日となる見通し。NTT<9432>以来となる大型案件が今後盛り上がりを見せるか注目される。

《FA》

 提供:フィスコ

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