市場ニュース

戻る
 

【特集】河合達憲【中国危機!日本株の行方】相場観特集_03 /9月は米中要因で2番底模索後、反発へ

カブドットコム証券・投資情報室 投資ストラテジスト 河合達憲氏

 9月相場は、10月開催の中国共産党18期中央委員会第5次全体会議(5中全会)に向けた中国株の底入れと、米利上げの見送りによって、日本株相場は2番底探りを経過した後、底入れ反発を方向づけるとみている。

 今回の中国株下落の背景には当然ながら景気の先行き減速懸念がある。緊急避難的な株価対策は打ち出されているものの、本格的な景気対策が整うのは、10月に開催が予定されている5中全会を経て以降となりそうだ。5中全会は、今後の経済運営の5カ年計画を討議するもので、新たな経済運営方針を推進するための景気対策が打ち出される可能性が高い。

 中国当局は、人民元の切り下げに次いで、政策金利と預金準備率を引き下げるなど金融政策発動に踏み切った。しかし、中国は日米欧などの先進国と比較してまだまだ実物経済の比重の高い国であり、金融政策での景気浮揚には限界があり、効果は低いだろう。ここは、積極的な財政政策で設備投資の積極推進など産業自体の活性化が求められるところだ。今後の上海総合指数については、当面3000ポイント水準での値固めで推移すれば日本株にとっては底入れ反発への追い風となろう。

 また、米国については、9月16・17のFOMCで利上げを見送るかどうかが焦点である。12月に先送りされれば、世界の株式市場にとって一旦はプラスに作用することが見込まれる。ひとまず1万9000円前後まで台を回復してきた日経平均株価だが、今後は2番底を探る動きを念頭に入れておきたい。高値から一時3000円以上も下落したことから、いったん仕切り直しの状態にある。ただ、年内に2万円水準にまで戻す可能性がある。外部環境の不安定さを考えると、物色動向はやはり内需系が主体となりそうだ。建設株、小売り関連、陸運・電鉄株などに注目している。

<プロフィール>

近畿大学大学院・博士前期課程修了。日本で数少ない証券専攻修士号のマスター称号を有する。中堅証券調査部にて調査・情報畑一筋で20数年来、企業調査や投資戦略、投資手法などのストラテジー構築に従事。ファンダメンタルとテクニカルを融合した投資分析を実践しており、各種マネー誌や月刊宝島、夕刊フジなどの銘柄推奨コンペティションでの優勝など各賞を多数受賞した実績により推奨銘柄の的中率の高さは実証済み。大阪国際大学・大阪国際大学短期大学部での講師登壇など多方面で活躍。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【中国危機!日本株の行方】特集より

株探からのお知らせ

    日経平均