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【通貨】欧米為替見通し:米早期利上げに期待感が再び強まる


米利上げの実施時期について、市場では9月実施への期待感が再び強まりつつある。足元の世界的な株価乱高下などが影響して9月実施は一時トーンダウンしたが、週末に聞かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの発言内容から、雰囲気は一変。9月実施もしくは、先送りも12月実施ではなく10月実施の可能性などが意識され始めている。

報道によると、FOMCメンバーのうち、米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は米CNBCとのインタビューで、9月利上げについて「結論を出すには時期尚早」と述べた。また「われわれは引き続き、状況がどのように展開していくかを見極めている」とし、これから発表される経済指標の内容を見極める考えを示した。さらに、利上げ実施に向けた論拠が圧倒的となるまで待っていては遅過ぎると指摘した。

一方、9月利上げに前向きな姿勢を示し8月上旬にドルが125円台まで上昇した流れを作ったロックハート・アトランタ連銀総裁は、ブルームバーグ・テレビとのインタビューで9月利上げが五分五分との予想は妥当との見解を示した。また、同総裁は、10月27-28日のFOMCでの利上げ決定もあり得るとの考えを示した。

本日はアジア株安の影響が懸念されるが、欧米株式が上昇となればこうしたFOMCメンバーの発言からリスク選行のドル買いが強まる可能性はある。ある市場関係者は、「9月利上げの可能性はまだある。9月が見送られても、12月でなく10月の実施に期待が持てればドルに買いは入りやすい」と指摘する。こうした市場の受け止めから、9月4日の米雇用統計が堅調なら次回のFOMC会合までドルは買われやすい地合いとなり、ドルは再び125円に向けて値を戻す展開になるとみられる。


【今日の欧米市場の予定】

・18:00 ユーロ圏・8月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.1%、7月:+0.2%)
・21:00 南ア・7月貿易収支(予想:-16億ランド、6月:+58億ランド)
・21:30 カナダ・4-6月期経常収支(予想:-170億加ドル、1-3月期:-175億加ドル)
・22:45 米・8月シカゴ購買部協会景気指数(予想:54.7、7月:54.7)
・23:30 米・8月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-2.5、7月:-4.6)
・ロンドン休場(英バンクホリデー)

《SY》

 提供:フィスコ

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