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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):銭高組、日本マイクロ、三井化学、住友化

■錢高組 <1811>  458円  +80 円 (+21.2%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 銭高組<1811>がストップ高水準でカイ気配となっている。27日にJR東海<9022>の柘植康英社長が記者会見を開き、27年の開業を目指すリニア中央新幹線(品川~名古屋)の南アルプストンネルについて、山梨県側8キロメートル弱の施工を大成建設<1801>、佐藤工業、および同社の3社によるJV(共同企業体)と契約したと発表しており、業績への寄与を期待した買いが入っている。同工事は、建設費が5兆円を超えるといわれているリニア中央新幹線の本格的な工事第1弾。リニア中央新幹線の品川~名古屋間は86%をトンネルが占めるが、南アルプストンネルはその中でも難工事といわれているだけに注目度が高い。また、上記銘柄以外にも、安藤ハザマ<1719>、鉱研工業<6297>、日本コンベヤ<6375>など他のリニア中央新幹線関連にも買いが入り、鉱研工業はストップ高している。

■GMO-PG <3769>  4,065円  +450 円 (+12.5%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 GMOペイメントゲートウェイ<3769>が3日続伸、一時前日比480円高の4095円まで買われている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付でレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ、目標株価を2600円から5800円に引き上げた。今後はLINE PayなどID決済へのニーズが増えていく中、決済手段のワンストップサービスを可能にする決済代行事業者の存在価値は高まるとし、同社の強い価格競争力とボリューム戦略が安定した利益成長に寄与すると指摘している。

■アダストリア <2685>  6,250円  +570 円 (+10.0%)  本日終値  東証1部 上昇率9位
 アダストリア<2685>の株価回復スピードが速い、8月25日の安値5200円を底値にしてきょうの高値6340円まで超短期間での値上がりとなった。「強い銘柄につけ」との相場鉄則通り、上昇トレンドの強い銘柄には買いが膨らんでいる。株価上昇の背景には証券アナリストからの高い評価もあったようだ。ドイツ証券ではアダストリアの業績予想を大幅に引き上げ、目標株価も大幅に引き上げていることが確認されている。ドイツ証券のアナリスト予想では、2016年2月期の営業利益を82億円から137億円に上方修正、目標株価を3900円から6500円に大幅に引き上げている。マーケットでは目標株価の大幅引き上げが株価刺激材料となった、またテクニカル面でも上昇トレンドが明確になったことで買い安心感が広がったことも好材料となった。

■生化学工業 <4548>  1,751円  +149 円 (+9.3%)  本日終値
 生化学工業<4548>が3日続伸。この日の午前中に、イスラエルのバイオベンチャー、キャンファイト バイオファーマ社との、関節リウマチ治療剤に関するライセンス契約を27日付で終了したと発表したが、新薬開発の効率化につながるとの見方から買われているようだ。同社では、06年9月に日本における炎症性疾患(眼科領域を除く)を適応とした同化合物の開発・製剤製造・販売権などを取得し、関節リウマチを優先的な対象疾患に定め、日本における第1相臨床試験を実施していたが、関節リウマチ治療剤の製品戦略などを総合的に考慮した結果、開発を中止し、ライセンス契約を終了することになったという。

■日本管財 <9728>  3,435円  +275 円 (+8.7%)  本日終値
 27日、日本管財 <9728> が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。株式分割に伴い、16年3月期の年間配当を従来計画の50円→47円(前期は50円)に修正。株式分割を考慮すると実質38%の増額となる。前日終値ベースの配当利回りが2.18%に上昇し、配当狙いの買いも向かった。

■日本マイクロニクス <6871>  2,324円  +183 円 (+8.6%)  本日終値
 日本マイクロニクス<6871>が急反発。前日比296円高の2437円まで買われている。27日引け後、株式分割を発表している。2015年9月30日最終の株主名簿に記載された株主の所有普通株式1株につき、2株の割合をもって分割する。効力発生日は10月1日。投資単位あたりの金額が半分に引き下げられるため、同社株式の流動性の向上と、投資家層の拡大を期待した買いを集めている。

■日本触媒 <4114>  1,860円  +143 円 (+8.3%)  本日終値
 日本触媒<4114>が大幅反発。SMBC日興証券が27日付で投資判断を「2」から「1」とし、目標株価を1950円から2220円へ引き上げたことが観測されている。強固な顧客ポートフォリオと原料安を裏付けに高吸水性樹脂(SAP)の販売数量増とマージン拡大が見込めることや、16年3月期の業績変化率の鈍化が嫌気されて年初来の株価パフォーマンスがTOPIXを若干下回るなど現状の株価に過熱感がないこと、さらに、16年3月期の同証券予想ベースのPERが13倍台と化学・繊維セクター平均の14倍やグローバル展開するおむつメーカーの17~32倍台を下回ることなどが要因としている。

■三井化学 <4183>  420円  +32 円 (+8.3%)  本日終値
 SMBC日興証券の化学・繊維セクターのリポートでは、総合化学・合繊は「2015年度上期まで高い業績変化率が続くも、下期以降のモメンタム鈍化が不可避で、目先バリュエーションの切り上がり余地は限定的」と指摘。電子材料は「ロジックを中心としたデバイスメーカーの生産調整の影響を受けている事に加え、顧客との契約期間が長期化していることもあり300ミリウェハーの値上げ実現には時間を要する」と解説。ファインケミカルは「足元で原油やナフサ価格が各社の前提よりも弱含みの推移で、自動車生産など内需が上向きに転じれば、下期以降、業績モメンタムの好転が見込める」とみて、サブセクターの選好順位を、ファインケミカル>総合化学・合繊>電子材料の順に設定。個別では、三井化学<4183>、東ソー<4042>、日本触媒<4114>をトップピック推奨している。

■住友化学 <4005>  606円  +37 円 (+6.5%)  本日終値
 住友化学<4005>が大きく上値を伸ばし3連騰。一時前日比8.4%高に買われ、取引時間中としては5日ぶりに600円台を回復した。TPP締結を前に国内農業の競争力強化は安倍政権にとって必須の課題であり、それに向けた政策的支援は農林中央金庫を大株主に擁する同社株にも先高期待をもたらせている。業績も16年3月期営業利益が14%増の1450億円予想と2ケタの利益成長トレンドが続く見通しだが、石化事業や必須アミノ酸のひとつで飼料添加物のメチオニンが好調で収益に寄与、一段の上振れ期待も意識されている。26日には、農薬などの農業関連製品の効力評価、開発、分析を行う「ラテン・アメリカ・リサーチ・センター」をブラジルに設立することを決定した発表、これも足もとの株価を刺激しているようだ。

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