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【経済】(中国)「車内消費」市場は2億円規模へ、“クルマのスマホ化”で


通信機能などを備えた「コネクテッド・カー」の開発が進むにつれ、中国のIT業界が「車内消費」市場を虎視眈々と狙っている。中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)とドイツテレコムによる自動車向け通信分野の中国合弁会社「中移徳電網絡科技有限公司」の陰啓明・最高技術責任者(CTO)は、中国の新車販売市場に占める「コネクテッド・カー」の比率に関して、「2020年に30%以上へと拡大する」と予想。事前予想(20%超)を上方修正した。これによってもたらされる「車内消費」市場は、1000億人民元(約1兆9900億円)規模に達するとの見通しを示している。毎日経済新聞が27日付で伝えた。

「コネクテッド・カー」は、自動車がインターネット回線につながり、それを介してさまざまなサービスを受けられるクルマを指す。いわば“クルマをスマホ化”するような存在だ。同CTOによれば、同サービスに対する中国人の好奇心は強い。ドライバーを対象としたアンケート調査では、「コネクテッド・カー」の有料サービスを受けたいと考える中国人は94%に達し、ドイツ人の74%を20ポイントも上回った。またサービスに対する消費許容額も中国人は500ユーロ(約6万8000円)と、ドイツ人の200ユーロを大きく超えたという。

クルマのIT化が流れとなる中で、足元ではIT大手が自動車メーカーと手を組む動きが加速。中国インターネット検索最大手の百度は、独BMWと自動運転車の共同開発を進めている。BMW関係者によると、年内に試験走行段階に入る見込みという。また中国電子商取引最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ:BABA/NY)も上海汽車集団と共同で、「コネクテッド・カー」の研究開発に着手。2年後の発表を目指している。このほか、グーグル、動画配信サービスの楽視網(LeTV)がスマートカーやコネクテッド・カーの分野に参入した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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