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【経済】中国:「環境5カ年計画」策定中、5年で337兆円投資へ


中国で環境分野への投資は、2016年からの5年間で総額17兆人民元(約337億円)を超える見通しだ。環境の質的改善と汚染物質排出の総量コントロールを目指す環境分野の第13次5カ年計画(2016~20年)は現在、策定に向けた作業が進められている。環境保護当局が示した試算によれば、環境に絡む投資は16年から、規模が毎年2兆人民元(約39兆円)ずつ拡大する。経済参考報が10日付で伝えた。

策定中の第13次5カ年計画は、持続可能な成長を実現するための「グリーン経済」の確立や、核の安全問題、生態系の保護、大気・水質・土壌汚染の防止・抑制など多分野に及ぶ。すでに発表済みの「水汚染防治行動計画」(「水十条」)、「大気汚染防治行動計画」(「大気十条」)などに加え、より厳格化した排出規制基準が導入される見込み。化学的酸素要求量(COD)、二酸化イオウ、アンモニア性窒素、窒素酸化物(NOx)に加え、製造業から排出される煙・粉じん、揮発性有機化合物(VOC)、総リン、総窒素への規制も設けられる見通しだ。

また、単なる削減の数字目標を掲げるだけにとどまらず、環境の質的改善も目指すという。農村部の汚水処理やごみ処理など、国民の生活の質に直結する分野にも注力する構えだ。それに向けて、環境分野への民間投資を奨励する。ある専門家は、国内の環境保護市場が爆発的な成長期を迎えると指摘した。

一方、環境部の陳吉寧・部長は、中国で環境への負荷が限界に近づいていると話す。例えば、全国で二酸化イオウとNOxの排出量は現在、ともに約2000万トン前後に上っている。1年間でそれぞれ70万-80万トン、140万-150万トン削減できたとしても、環境の抜本的な改善が実現するまでに少なくとも15~20年を要するとの見通しを示した。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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