市場ニュース

戻る
 

【市況】<株式トピックス>=円安進行でも輸出関連銘柄の動きが鈍いのは?

 8日の東京株式市場は、前週末発表の米雇用統計の内容が予想を大幅に上回ったことで、米利上げ観測が強まり1ドル=125円台に下落した円安・ドル高を好感、プラス圏でスタートした。ただ、買い一巡後は、欧米金利上昇への警戒を背景に利益確定の売りも出て、方向感に乏しい推移となり、日経平均株価終値は、前週末比3円71銭安の2万457円19銭と小幅ながら続落となった。
 きょうの市場で話題となったのは、トヨタ自動車<7203>の軟調な株価推移。寄り付き直後こそ、前週末比1円高だったものの、その後はジリ安で推移し、前場引け近くの午前11時25分には、この日の安値となる同118円安の8352円まで売られた。後場に入ってもこの日の安値圏で一進一退を続け、終値は同112円安の8358円となった。
 市場関係者からは「外国為替市場で、1ドル=125円台半ばと、トヨタの16年3月期想定為替レートである1ドル=115円に比べてプラス要因となる円安方向に10円も振れているにもかかわらず、株価がマイナスに反応している」との見方が出ていた。
 トヨタの株価が伸び悩んでいる背景として(1)欧米株式市場の調整色が強まるなか、株価上昇には外国人投資家の買いが必須条件といえるトヨタなどの国際優良株には一服感が出ざるを得ない、(2)米国がこれ以上の円安・ドル高に不快感を示す可能性がある、(3)欧米金利の上昇を嫌気して、欧州や米国の株価が下落傾向を強めることへの懸念――などが挙げられている。


出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

株探からのお知らせ

    日経平均