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【市況】新興市場見通し:強含みか、主力株の堅調推移に加え出遅れ銘柄物色も活発


先週の新興市場は、日経平均が6日続伸し再び年初来高値を更新する展開となるなか、中小型株も個人投資家を中心とした資金の流入が強まり堅調に推移した。特にマザーズは、ミクシィ<2121>のほかそーせいグループ<4565>などのバイオ関連がけん引する形で指数が大幅に上昇した。また、相場全体の底上げが意識され、出遅れ銘柄にも積極的な買いが入った。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.7%であったのに対して、マザーズ指数は+4.4%、日経ジャスダック平均は+1.9%だった。マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに年初来高値を更新。また、21日のマザーズ売買代金は1月9日以来の高水準となった。

個別では、ミクシィが週間で6.5%高と堅調に推移した。好業績が再評価されており、株価は昨年12月以来の水準まで上昇している。また、今期の大幅な増収増益見通しで人気化しているそーせいグループは同39.6%高と大きく上昇した。マイルストーン受領を発表したオンコセラピー・サイエンス<4564>が急伸する場面もあり、その他バイオ関連にも物色が波及する展開となった。ジャスダックでは、決算発表が一巡したことでゲーム関連のガーラ<4777>、インバウンド関連のプロルート丸光<8256>やマルマン<7834>、IoT関連のブロードバンドタワー<3776>などテーマ株が活発に売買された。好業績銘柄への買い意欲も強く、小野産業<7858>、ヨシタケ<6488>、タツモ<6266>などが上昇率上位となった。その他、マザーズではファーストコーポレーション<1430>、ハウスドゥ<3457>、ジャスダックでは日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>、カルナバイオサイエンス<4572>、常磐開発<1782>、日本エマージェンシーアシスタンス<6063>、イマジニア<4644>などの上昇が目立った。

今週の新興市場は、引き続き強含みに推移することが想定される。ここまでマザーズ指数をけん引してきたミクシィやそーせいグループでは利益確定の動きも見られるが、中小型株への資金流入を背景に買いも継続しており、しっかりした展開となっている。相場全体の上昇にけん引され、出遅れ銘柄物色も活発となるだろう。

6月に改訂が予定されている政府成長戦略への関心が徐々に高まりそうだ。地方でのヘルスツーリズムなど健康産業の拡大が盛り込まれると伝わっており、ハウステンボスでのヘルスケアサービス提供を発表したテラ<2191>や、パーソナル・トレーニングジム「RIZAP」運営の健康コーポレーション<2928>などに注目したい。また、今週は28日に日本スキー場開発<6040>、29日にトリケミカル研究所<4369>、ACCESS<4813>などが決算発表を予定している。2-4月にかけて連続で訪日外国人客数が単月での過去最高を更新していたことから、日本スキー場開発の業績期待が高まる可能性があるだろう。

IPO関連では、先週、中村超硬<6166>(6/24、マザーズ)、エコノス<3136>(6/24、札証アンビシャス)、冨士ダイス<6167>(6/25、東証2部)、メニコン<7780>(6/25、東証・名証1部または2部)、ファンデリー<3137>(6/25、マザーズ)の新規上場が発表され、6月IPO件数は現時点で計9件となった。また、今週はヘリオス<4593>のブックビルディングが開始される予定となっている。足元のバイオ関連物色を追い風にどこまで人気を集めるか注目される。

《TN》

 提供:フィスコ

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