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【市況】日経平均は4連騰し15年1ヵ月ぶり高値、インパウンド関連株が人気

◆日経平均株価は前日比170円18銭高の2万196円56銭と4連騰。4月23日の年初来高値を更新し、2000年4月14日以来約15年1ヵ月ぶりの高値水準に上げてきた。前日の欧州市場では欧州銀行(ECB)が量的緩和策の規模拡大方針と伝わり独DAX指数が大幅続伸するなどそろって上昇。米国では発表された住宅統計から景気減速懸念が緩和しNYダウが連日で最高値を更新。日米金利差の拡大予想から円は対ドルで4日続落し対ユーロでも反落。朝方から輸出関連や内需関連に買いが向かった。一方、NY原油先物の大幅5日続落、海外金・非鉄市況安から利益確定売りが広がった石油、鉱業、卸売、鉄鋼、非鉄関連など7業種は軟調展開となった。前場寄り付き前発表の1-3月期GDP速報値が前期比年率2.4%増と市場予想を上回ったこともあり、後場半ばまで買い先行の展開が続いた。一時、2万278円89銭と4月23日の取引時間中高値も更新した。2000年4月高値2万833円21銭も15年ぶりに目前だ!
◆円安が追い風となったのは当欄長年のウォッチング銘柄で「インバウンド」関連株として人気化した日本空港ビル<9706>。国土交通省が前日、今月14日~15日の日中航空当局間非公式協議で羽田空港と中国間の昼間時間帯での定期便について、10月末から現行の1日8便→20便と大幅増便で合意したと発表しており、この日は、中国からの旅行者拡大期待の買いなどが流入した格好だ。定期便の増便については、12年に一度合意したものの、日中関係悪化により見送っていた分の実施だという。同社には物品販売・施設利用料収入増につながる。10年10月羽田新国際線旅客ターミナル開業時は、韓国に向け出国した時は旧ターミナルだったが、帰国時は新装開業ピカピカの現ターミナルとなり戸惑いながら入国した!同社株価は先行投資負担が縮小した13年2月期に5期ぶりに大幅経常増益に転じた後、15年3月期にかけ大幅に拡大。去る8日発表の今16年3月期は4.6%減の113億円と減益予想だが、売上高は9.5%増の1900億円、1株利益予想は93.6円。経常利益予想は過去最高だった前期の118.49億円に5億円強届かないものの、高値飛びつき買いはともかく、中長期上昇基調にあり、なお、最高値更新期待大だ。●OLC<46661>もまた「インバウンド関連株」物色人気乗る!?3月の株式分割落ち後は人気離散。この日は14時発表の4月訪日外国人客数推計値が前年同月比43%増の176万人と単月で過去最高を3カ月連続で更新し、3月の150万人台からさらに拡大して初の170万人台乗せとなったことが買いを誘った!?査証(ビザ)発給要件緩和、消費税免税制度の拡充に為替の円安推移からアジアからの訪日客増から、日本空港ビルなど共に買いが広がった!?中期相場を示唆する26週移動平均線沿いの上昇基調にあり、この日は25日、75日線ともクリアしてきた。そろそろウォッチングを開始しよう。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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