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【市況】国内株式市場見通し:決算ピーク通過、下値固めから改めて節目の2万円への意識に


■東芝の不適切会計問題が重石

先週の日経平均は上昇。大型連休明けの東京市場は、8日の米雇用統計の堅調な結果を受けた米国株高が支援材料となるなか、大幅に上昇して始まった。一方で、決算発表がピークとなるなか、東芝<6502>が発表した国内インフラ案件をめぐる不適切会計の問題に伴う15年3月期の業績予想の取り下げや期末配当見送りの発表。大幅減資観測が伝えられたシャープ<6753>の急落などが重石となった。その後も世界的な国債利回りの上昇や、ギリシャ債務問題で揺れる欧州株の下落などから、方向感の掴みづらい展開に。結局は週初に19600円を回復した日経平均は、その後は5日線と25日線とのレンジ内での取引となった。

■決算ピーク通過、再評価の流れを意識

先週末で決算発表がピークを通過した。足元で不安定な値動きが続いていたメガバンクだが、三菱UFJ<8306>が週末に約1000億円規模の自社株買い方針を発表し、これが相場全体のムードを明るくさせた。今回の決算では増配や自社株買いなど積極的な株主還元策の発表が相次いでおり、投資家の関心を集めていた。決算がピークを通過したことから、改めて決算内容や株主還元策等を手掛かりとした再評価の流れが意識されそうだ。

■投信設定への期待、ヘッジファンドの売り一巡

また、今週は週明け18日に野村アセットマネジメントが「野村日本企業価値向上オープン」を設定する。4月に設定した第1弾は相場の先高期待から個人マネーが殺到したこともあり、今回の第2弾に対して市場の関心が相当集まっていると考えられる。その他、5月半ばを通過したことにより、ヘッジファンドの5月末決算に伴う45日ルールは通過したとの見方もされやすく、日経平均は下値固めから上値抵抗線となる25日線を捉え、改めて節目の2万円への意識に向かわせそうである。

■1-3月GDP、米FOMC議事録、日銀金融政策決定会合

経済指標では、18日に3月の機械受注が発表される。19日には5月の独ZEW景況感指数、4月の米住宅着工件数。20日に1-3月期の国内総生産(GDP、速報値)が発表される。1-3月GDPのコンセンサスについては前期比年率+1.6%~1.8%となる。2四半期連続のプラス成長が予想されているが、個人消費などの伸びの鈍化を反映し、前回予想(2.2%程度)からは下方修正されていた。慎重な見方がコンセンサスとなるなか、予想を上回る結果となれば、株式市場へのインパクトは大きいだろう。

また、20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表が予定されている。22日には連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の講演も予定されており、足元の米国経済に対する見解などに関心が集まろう。特にイエレン議長の利上げ再開に備えたとみられる「米国株は割高」発言もあっただけに、相場の変動要因になりやすい。

21、22日には日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合を開く。黒田総裁は「いまの時点で緩和が必要だという考えは持っていない」と述べており、サプライズは期待しづらいところ。その他、21日には5月のHSBC中国製造業PMI、4月の米中古住宅販売件数。22日に5月の独Ifo企業景況感指数、4月の米消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。

また、イベントとしては、第1回国際ドローン展が5月20-22日に幕張メッセで開催されるほか、第6回教育ITソリューションEXPOが5月20-22日に東京ビッグサイトで開催される。関連テーマ株への物色が意識されそうだ。

《TN》

 提供:フィスコ

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