市場ニュース

戻る
 

【市況】国内株式市場見通し:2万円回復で達成感も押し目待ちに押し目はあるか


■5年ぶりに大台の2万円を回復

先週の日経平均は上昇。週末10日には一時20006.00円と15年ぶりに大台の2万円を回復した。週初は3日の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比12.6万人増となり、増加幅は市場予測の平均値(25万人)の半分程度にとどまったことが嫌気され、日経平均は19300円を割り込んで始まった。しかし、連休明けの6日の米国市場は、雇用統計を嫌気して始まったものの、早期利上げ観測が後退するとの見方から切り返しをみせるなか、7日の日経平均は大幅に反発。8日の日銀の金融政策決定会合では“現状維持”を受けていったんは売られる局面もみられたが、市場は次回の日銀の金融政策決定会合での追加緩和への思惑が高まるなか、日経平均は連日で15年ぶりの高値水準を回復。週末こそ2万円回復後は利食いの動きが見られているが、押し目買い意欲の強さが窺える状況だった。

■今週は2万円の大台固めを意識

日経平均はようやく2万円の大台を回復する局面をみせた。直近の急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されているところであり、その後の利益確定の流れは想定内であろう。また、SQ値が20008.47円となり、僅かではあるが“幻のSQ”となったことも、心理的には利益確定に向かわせているようである。

10日の米国市場は上昇し、シカゴ日経225先物清算値は20035円だった。今週は2万円の大台固めを意識した相場展開が想定される。過熱警戒感など強弱感が対立しやすいところであり、売り仕掛け的な動きも意識されやすいところだ。ただし、既に2万円に乗せる過程で自動車株などには利益確定の売りが断続的に出ており、需給が大きく買いに傾いているとは考えづらい。利食いが進むことによってより需給妙味が強まってくる可能性もある。押し目狙いのスタンスは強いと考えられ、調整が浅いと上値追いの動きが出てくることも意識しておく必要がありそうだ。

■米小売売上高、G20財務相・中央銀行総裁会議

今週は 13日に日銀が金融政策決定会合の議事要旨を公表する。また、全国支店長会議を開き、4月の地域経済報告(さくらリポート)を公表する。その他、2月の機械受注が発表される。14日には国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)を発表するほか、3月の米小売売上高が発表される。15日には1-3月期の中国の国内総生産(GDP)、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、3月の米鉱工業生産・設備稼働率、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が開かれる。16、17日にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる(ワシントン)。

■日米ともに業績相場に移行

また、米国では米ゴールドマン・サックス・グループ、シティグループ、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が決算を発表する。そのため、日米ともに業績相場に移行することになりそうだ。国内は翌週以降、本格化する決算を前に、業績修正や観測報道なども飛び出しやすく、個別物色の流れが強まりやすいだろう。低ROEの大型株などには、株主還元策等による高ROE政策などへの思惑も高ま
りやすい。

■底値銘柄を探る動き

また、先高感は根強いものの、いったんは2万円回復で利益確定の動きも出やすく、上値の重さが意識されてくるようだと、相対的に出遅れているセクターや銘柄への水準訂正を狙った短期筋の動きも強まりやすい。3ケタ銘柄などで長期低迷している銘柄などには、水準訂正を狙った短期資金が集中しやすいと考えられる。さらに、日経平均の日柄調整が意識されるようだと、東証2部、ジャスダック、マザーズなどにシフトすると考えられる。その他、過熱感が警戒されるものの、ソニー<6758>、ディーエヌエー<2432>など、好需給銘柄については下げ難い状況であり、好需給銘柄への押し目買い意欲は引き続き注目される。

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均