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【市況】【北浜流一郎の乱にチャンスあり!】


「年金マネーが変える日本株市場」

●適度な押しでバブルを回避

 3月相場はまだ終わっていない。しかし、月足チャートはまず間違いなく陽線で終わるだろう。

 私は昨年11月から「これから東京市場は黄金の3ヵ月になる」、こう言い続けてきて、途中軟調な局面があった時などは、「何を寝ぼけたことを言っているんだ」とネットで批判を浴びたりした。

 しかし、実際は「黄金の3ヵ月」どころか「黄金の5ヵ月」になっている。正直これほど上昇期間が継続するとは思わなかったが、いまのところ順調この上ない動きだ。

 もちろん「黄金の5ヵ月」で終わってしまってはならない。「黄金の6ヵ月」、さらに「黄金の7ヵ月」、いや、いや、「黄金の10ヵ月」となってくれなくてはならないが、正直そんなに継続することはないだろう。

 そして、またそうなる必要もない。時には調整の月があってもおかしくないし、あった方が自然でもある。相場が長続きするからだ。

 株式市場に限らないが、一気に高まるのは終息が早い。この点を考えると2進1退高が好ましく、適度な押しを入れつつの上昇が好ましいことになる。

 いま最も怖いのは、米国市場の崩壊だ。それは絶対あってはならない。東京市場には何も問題がなくても、米国市場が崩壊するようなことになれば、外国人投資たちは一斉に日本株を売る。その後様子を見てまた買い戻すにしても、一時的には一斉売りが避けられない。

 こんなことになるのを避けるためには、米国市場がどんどん上がる。これがないようにした方がよい。私は、米国株式市場は今後超スローペースで上がるか、横這う。こうなってくれればいいと思っている。最悪下げてもゆっくり下げる。これなら構わない。

 こんな考えだが、実際の値動きも期待通りの展開を見せている。少し上がってはすぐに下がる。こんなはっきりしない動きだ。これは今年中には実施される可能性が高い利上げを警戒しているからで、結果的にはそれが不透明感を強くし、米国株をどんどん買い上がれない根拠の一つになっている。

 そのため市場では、米国株の頭が重い、米国経済の先行きに対する警戒感がそうさせているのだ、と悲観的な見方が支配的になっている。しかし、私にいわせると、その方がむしろ好ましいといえる。

 もちろん理由は、米国市場の休みなき上昇が避けられるからだ。でないと、いわゆるイケイケドンドン体質の米国市場は、実際にさらに高値を追い、そしてサブプライムローンバブルのようなバブルになり、崩壊する。 

 幸い、いまはそんな心配はしなくても済む状況であり、日経平均もさらなる高値が見込める流れに変化はない。

●年金マネーが新たに買う株

 4月からはもちろん新年度入り。証券各社は当然、営業に力が入るが、いまのところ急いで株を売らねばならないような大きな気掛かり材料はない。

 それよりも4月からは、GPIFに続き公務員年金やそれに類する企業年金なども資金の運用比率を変えるところが急増すると見てよく、それにより資金が株式市場に流入する可能性が非常に高いと見てよい。

 GPIFはすでに昨年から資金の運用比率を見直し、日本株のそれを8%から25%に引き上げるべく、現在すでに20%近くまで購入している。

 しかし、公務員年金や企業年金などは、従来の国債依存からなかなか変われず、まだ日本株の比率を高めていない。それでもいまでも8%というわけにいかなくなってるのが実際。そこで4月からは遅ればせながら比率を変え始めると見てよい。

 これは2つの支援材料になる。新たに日本株を買う。これだけでも好ましいが、もう一つ大事なことがある。

 彼らは日本株の運用比率を8%に保つために、株価が上がると運用比率も上がることから、株価が上昇したら売る。こんなことをしてきたのだ。そんな売りが今後は止まるのだ。これは実に大きい。そして新たに買い始めるのはどんな銘柄か。

 JPX日経400採用銘柄か、日経平均ETF、TOPIXETF、JPX日経400ETFなどになる。そのため、引き続きこれらの銘柄への投資は儲かりやすくなるので、下げたところはしっかり拾う作戦が有効だ。

 さて、私の注目銘柄。まずは目先軟調な展開になっているヤクルト <2267> 、JR西日本 <9021> 、高島屋 <8233> だ。

 毎度お馴染みの花王 <4452> も派手さはないものの、現状水準あたりで投資しておけばやがて笑える。

 ハイテク株ではオーソドックスなところではパナソニック <6752> 、中堅ではフォスター <6794> だ。

2015年3月27日 記

「チャートブック日足集」No.1564より転載
(「株探」編集部)

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