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【経済】NYの視点:米JOLT、労働者が雇用市場に自信強める


米労働省が発表した1月のJOLT求人件数は前月から12.1万件増加し500万件と、過去14年間で最高となった。求人件数の顕著な増加は労働市場の強さを示す。採用率は低下したものの、退職率は危機前の水準にあと一歩の水準まで上昇。退職率は労働者の雇用市場への自信をあらわす指標としてイエレンFRB議長がJOLT指数の中で最も注視している項目のひとつ。失業率も5.5%と、完全雇用である5.2-5.3%に近づいた。

フルタイムの職に就きたいがパートタイムに就いている、または職探しをあきらめた人を含めた広義の失業率(U-6)は11.0%と、危機前の水準である8.8%を依然上回ったが、1月11.3%から低下。低下基調にあることは確か。一方、賃金の伸びが滞っていることや労働参加率が過去40年間で最低水準で推移していることは雇用市場にとりマイナス材料となる。

ただ、賃金は遅行指数である。労働市場のひっ迫を受けて今後上昇する兆しも見られる。このため、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを開始することは必至だとの見方も強まりつつある。

○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
1月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(12月1.2%)  1.4%(下回る)
2月雇用者数(Nonfarm payrolls):29.5万人(1月23.9万人)  16.18万人(上回る)
1月求人率(Job openings rate):3.4%(12月3.4%)  3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
2月失業率(Unemployment rate):5.5%(1月5.7%)  5%(上回る)
1月退職率(Quits rate):2.0%(12月1.9%)  2.1%(下回る)
2月広義の失業率(U-6):11.0%(1月11.3%)  8.8%(上回る)
1月採用率(Hires rate):3.5%(12月3.7%)  3.8%(下回る)
2月長期失業率(15週以上):46.5%(1月47.1% 、前年52.2%)  19.1%(上回る)
2月労働参加率:62.8%(1月62.9%)  66.1%(下回る)

《KO》

 提供:フィスコ

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