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【市況】新興市場見通し:売買低迷が続きマザーズはこう着感、ジャスダックは物色活発


先週の新興市場は、日経平均が連日の昨年来高値更新で一時18800円台を回復するなか、引き続き堅調に推移した。高値警戒感から日経平均が上げ渋る局面では中小型株に資金が向かう動きが見られた。ただ、主力大型株に投資家の関心が向かい、マザーズ指数のパフォーマンスは相対的に低調。マザーズ売買代金も1000億円割れとなる日が多かった。週間の騰落率は、日経平均が+2.5%であったのに対して、マザーズ指数は+0.6%、日経ジャスダック平均は+1.9%だった。日経ジャスダック平均は昨年来高値更新が続く一方、マザーズ指数は25日線水準でのもみ合いとなっている。

2/23にマザーズ市場へ新規上場したシリコンスタジオ<3907>の初値は、公開規模が比較的大きかったにもかかわらず公開価格の約2.0倍となる9900円まで上昇した。その後も高い人気から買いを集め、2/27には一時14990円の高値を付けた。ただ、節目の15000円を前に利益確定売りが優勢となっている。前週上場のファーストブラザーズ<3454>などが連れ高となる場面も見られた。マザーズ主力ではミクシィ<2121>が週間で0.3%高、サイバーダイン<7779>が同1.2%高。情報セキュリティ関連への関心からFFRI<3692>は同15.7%高とリバウンド基調に。ジャスダック主力では、前週買われた日本通信<9424>が同1.4%安、ガンホー<3765>が同2.4%安となる一方、上期業績予想を上方修正した日本マイクロニクス<6871>が同21.7%高と大幅上昇に。委任状争奪戦が開始された大塚家具<8186>に対する投資家の関心も高い。テーマ株では、やまねメディカル<2144>などのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)運営会社や、地方創生関連との見方からセーラー広告<2156>などの地方企業が買われる一方、春節終了もありプロルート丸光<8256>などのインバウンド関連は物色一巡。

今週の新興市場は、マザーズでは主力株中心にこう着感の強い展開となる一方、ジャスダックでは引き続きテーマ株・材料株への活発な物色が相場をけん引する展開となることが想定される。マザーズ指数は25日線からの上放れを試す動きとなっているが、未だ売買代金は低迷しており、本格的な上昇相場入りには遠い。また、3月IPO案件が15社まで増加し、今後セカンダリーで換金売りが広がることも想定しておく必要がある。一方、日経平均が高値圏でこう着感を強めれば、値動きの軽い中小型株に資金が流入する展開も期待されるところ。

個別では、メディアで大きく取り上げられていることもあり、大塚家具への関心が続きそうだ。大塚久美子社長を中心とする現経営陣は2/25引け後、これまで未定としていた今期業績予想のほか、新たに策定した中期経営計画や今期末配当の増額を発表。「積極的な株主還元」を掲げ、15年12月期末の配当予想を従来の40.00円から80.00円に引き上げた。3/27に開催される株主総会に向け、今後も思惑が広がるとみられる。その他では、ウエアラブル関連、高配当株などに注目したい。

今週は、3/6にアスカネット<2438>、鳥貴族<3193>などの決算発表が予定されている。また、IPO関連ではエムケイシステム<3910>のブックビルディングが2/27より始まっているほか、コラボス<3908>、ショーケース・ティービー<3909>など7社が新たに開始される予定。

《TN》

 提供:フィスコ

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