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【特集】SDエンター Research Memo(7):映画館と不動産賃貸は地道な営業努力と多目的活用などに注力


■事業変革の進捗と業績動向

(4)施設管理事業?シネマ事業及びファシリティマネジメント事業

施設管理事業は映画館運営のシネマ事業と不動産賃貸収入等のファシリティマネジメント事業で構成されるが、大まかに言って80%がシネマ事業、20%がファシリティマネジメント事業という内訳となっている。

シネマ事業は作品に恵まれるかどうかが収益に大きな影響を与えるのは事実だが、SDエンターテイメント<4650>独自の地道な営業努力も継続的に行われている。具体的には、映画館スペースの多目的活用や各種イベントの開催、あるいは客単価アップに向けた飲食メニューやスペースの拡充などだ。2015年3月期の第2四半期は映画「アナと雪の女王」のヒットで、シネマ事業売上高は426百万円(前年同期比10.3%増)に達した。第3四半期に入ってからはヒット作がなく、低調が続いていたが、第4四半期は映画「妖怪ウォッチ」の公開があるため、再び好調が戻ってきている状況にあり、2015年3月期下半期も前年比プラスを実現できる公算が高まっているようだ。

ファシリティマネジメント事業は、不動産賃貸収入という「受け身」の収益が中心であるのは事実だが、最近は「攻め」の姿勢を強めている。その内容は、ビル運営における省エネのためのコンサルティングが典型例だ。北海道でも北海道電力<9509>による電力料金の値上げが2014年11月に行われたが、その値上げ幅は規制部門で15.33%、自由化部門で20.32%という大幅なものだ。同社はLED活用などの効率的な省エネ対策をコンサルティングするほか、自社のファシリティマネジメントシステムを活かした業務受託の本格展開を検討中だ。さらに将来的には遊休スペースを有効活用するプロパティマネジメント事業への進出を目指すとしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《FA》

 提供:フィスコ

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